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訪ねる<3> 筑後船小屋駅 秋津島関の供養塔
■九州新幹線全線開通特別企画■
●柏鵬も参拝した名力士
江戸時代の勧進相撲で、「天下第一」と称された久留米藩出身の力士がいた。久郎原村(現筑後市)生まれの秋津島浪右衛門(1697―1743)。筑後市津島の旧薩摩街道沿いに、今も供養塔と墓が残る。
文献によると、秋津島は享保元(1716)年に江戸に上り、19歳で力士となる。身長6尺1寸8分(185センチ)、体重36貫(135キロ)の体を武器に27年間で2千勝以上を挙げた。
「強さをねたむ天狗(てんぐ)と相撲をした」との逸話も残る豪傑は、興行ごとに番付が変わる時代ながら、元文2(1737)年に大坂で関脇を務め、寛保2(1742)年に久留米で当時の最高位・大関を張った。
供養塔は文政年間(1818―30年)、生家近くに建てられた。「相手にまわしを取らせない突っ張りで恐れられた」と伝わる取り口とは似つかわず、農村の風景に溶け込むように墓と並んでこぢんまりと立つ。
1963年には人気絶頂の柏戸、大鵬の両横綱がそろって参拝に訪れ、地元はハチの巣をつついたような騒ぎとなった。秋津島一族の末裔(まつえい)という村上サツ子さん(66)は「男性はもちろん、大鵬目当ての女性、子どもで大変でした」と懐かしむ。江戸の名力士をめぐる挿話は尽きない。
筑後市商工観光課=0942(53)4111。
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▼特別展 ポーランドの至宝 12月5日まで、北九州市立美術館分館(小倉北区室町)。入場料は一般1100円、高校・大学生700円、小・中学生500円。会期中無休。同館=093(562)3215。
【写真】筑後船小屋駅から徒歩10分足らずの旧薩摩街道沿いにある秋津島関の供養塔
=2010年11月19日 西日本新聞朝刊=