2011-03-30 23:47:19

私信

テーマ:ブログ

NATROM氏という方が自身ブログにて
「武田邦彦氏の功罪」という記事を書きました。


中部大学教授 武田邦彦氏が原発問題を受けて更新した
一連のブログについて書いたものですが、
その中身が酷いと私は思ったので、それに対する反論を
ここに記します。


(一旦、氏のブログのコメント欄にてやりとりをしたものの、
やはりコメント欄でのやりとりは無理があったので)

ゆえに、この件に特に興味の無い方は無視して下さい。
というより、この記事はNATROMさん専用の私信ということです)


まず、「16日から歩調を揃えてごまかし始めた」という武田氏の発言について。


この発言に対するNATROMさんのご指摘は外れています。

ただ、これは私の書き方も悪かったようですのでお詫びします。


私にとっては、「全ての局、全ての番組とも揃って、曖昧な事を言っていた」
というのが問題だったのですが、
NATROMさんにとっては「ある時点から」という部分も大変に重要だったのですね。
人の視点とは興味深いものです。


整理すると、少なくとも

「各民放とも、ある時点から『毎時』について
(要するにそこで被災者が生活を続けたらどうなるか、について)
明確な言及をしなくなった」

というのは、限りなく事実に近いと思います。

(全ての局、番組を同時に全部漏らさず見ていたワケではないため、
こういう言い方になります。)


さすがに私のような凡人では「日付」まで覚えてはおりませんが・・・

私の見てきた限り、記憶の限りで申しますと、
「一番最初に放射能漏れの発表がなされ、保安院等の発表が生中継で流れて
『●●シーベルトパーアワー』という言葉が初めて出てきた時」
には、各番組の専門家が
「1時間あたりにこれだけ、という意味ですよ」という説明をしていたのです。


ところが、少し経った頃から、私が見た限り全ての番組において
「放射線の量と健康被害の表」的なものを持ち出して、
やれ胸部レントゲンならこれだけだ、CTならこれだけだ、ニューヨークならこれだけだ、
という話に終始しだしたのです。


私は、この時期の一連の報道の事を指して
「全ての局で、区別をつけない報道をしていた」
と述べました。


それこそ「マスコミ」的には、それが「分かりやすい」と思って
始めた事だろうとは思いますけどね。フリップ作るのだって各局なんですから。
(実際私も、表単体を見たときは「目安が分かりやすいな」とは思いました。)


ただそこで、「専門家」が「そんな単純比較はできませんよ」という事を
キチっと指摘しなきゃだめでしょう。
「毎時」を意識した説明が混ざり始めたのは、それから1週間かもう少し経ってからです。

ですから、「武田氏がウソをついている」というNATROMさんの主張は
間違いである、と私は指摘したのです。


なおNATROMさんの主張が、
『「マスコミが同調してゴマカしている」というのは
多分に主観が入っていると私は思う。』
というのであれば、私も特に言う事は無いです。

まぁ、「そりゃ『主張』なんだから個人の主観は入るわなあ。」
程度の感想を持って終わりだったと思います。


とある事実をどう評価するかは、人の主観が入ります。
それこそ、「半分残っている」という事実を
「もう半分しかない」と表現するか、「まだ半分もある」と表現するか、
みたいなものです。


ただ、「誤りだ」と指摘するためには根拠が必要でしょう。

今回の件でいえば、「ゴマカシだ」と武田氏が主張する根拠となっている
「そこら中の番組に出ている『専門家』が揃いも揃って
『非専門家としか思えないようなレベルの間違い』を犯し続けている」
という点についての説明が無ければならないと私は思います。


例えば
「いや、あの人ら全員知ってるけど、全員原子力の事なんか大して知らないよ」
みたいな。
相当衝撃的ですけどね(笑)


とにかく上で述べたように
「ある時点から、結構どこも揃って曖昧な『安全』という表現に終始するようになった」
のは基本的に事実です。

ちなみにNHKの、あの東大の先生も同じであったと記憶していますが。
(ミズノ解説員の事ではありません。)


私も家内も、両親や親族が被災し原発も遠くないので、
非常に強い危機感、不安感を持ってテレビを見ていたのです。
(「番組構成切替」以降は民放のニュースが少ないのでNHKを良く見ていました。)

「正しい情報、詳しい情報」が知りたいのに、大した役にも立たない
(CT等との)比較を持ってきて「心配ない」などと言うので
「ふざけんな!避難生活をその場で続けざるを得ない人たちの身になって伝えろ!」
という気持ちから、非常に強い憤りを覚えていたものです。


ちなみに私見ですが、この「ある日を境に論調が変わった」というのは、
各社の番組構成と無縁ではないような気がします。

「放射能漏れ」の大ニュースが最初に流れたのは、各社とも一日中特番を組んでおり、
会見も生中継されていた頃だったはずです。


この頃は保安院のオジさんや東電のオジさん達が言い淀みながら
「マイクロシーベルトパーアワー」と連発していた時で、
テレビ側だって当然、説明が必要でした。生中継されてしまうのですから。


そこから、番組構成が通常シフトに戻っていった時期があります。
報道番組も「全てのレポート・会見が生中継」でバタバタしたものではなく、
フリップや模型等の凝ったものが用意され、
内容も事前に打ち合わせられたもの、まとまった説明などが
されるようになってきた。


この「番組構成切り替え」は、民放各社一斉に行なわれたと記憶しています。
きちんと調べれば分かるのでしょうが、その「番組構成切替」が、
武田氏の言う16日かその前後だったのではないでしょうか?


で、そのあたりから、「シーベルトパーアワー」、すなわち「毎時」
の前提に則った説明が激減し、上で申し上げたような「単純比較」による
「ただちに影響はないレベルです」大合唱が始まったと私たちは感じていました。


ですから、
「ある日を境に、似たような(曖昧な安全宣言的)説明だらけになった」
のは、事実だと申し上げたのです。


(厳密には、武田氏の「足並み揃えたゴマカシ」という表現が真実なのかどうかは
私たちとしても知る術はありませんが、
「そう取ってもおかしくない事象があった」のは事実、という意味です。)



>「万が一とはいえ、こういう危険ありますよ」という情報を出した上で、
>「じゃあ保険をかけよう」
>「いいよ、保険なんて。普通は大丈夫なんでしょ」
>という判断を、個々人が行なう。

という私の発言に対して、

>武田氏の主張の誤りを指摘している

と指摘なさったことについては、驚くしかありません。


私は、武田氏の一連のブログや動画等での発言を見た結果、
前述の通りの理解をしたのです。


そして、テレビの報道を見た感想は逆に
「 『(NATROMさんの仰るような)非専門家』らしい間違い」を犯したまま
「安全だ安全だ」と言い張っているだけにしか聞こえませんでした。

にも関わらず、NATROMさんが真逆の理解をしているという事は

何か決定的な価値観というか、理解ロジックというか、
とにかく違いがあるという事になりますね・・・


そうですね・・・私は、例えば世のお父さんが子供に向かって


「お前、海外旅行したり、自動車に乗ったりすれば
やっぱり事故には遭うものだし、金もかかる。保険はかけとけよ」


と発言しているのを見て、


「この父親は確率論である事を理解していない!」


などとは「絶対に」思わないし、


「無駄に不安を煽っている!」


とも、「絶対に」思わないタイプです。


「事故には遭うものだ」という発言の字面だけバカ正直に追えば
「『確率的に言えば遭わない確率の方がずっと高い』事を明言していない」
と言えますが、そんなのは下らない揚げ足取りに過ぎないからです。

「潜在的なリスクがあるよ」と提示したに過ぎない、と理解します。


「保険はかけとけよ」という言葉も、
不安を煽り、なにかを強制したり迫っているのではなく、
「特に安全面を見込むなら」という前提なのだろうという事くらい推察します。


多分、NATROMさんと私は、そういう部分に決定的な違いがあるのでしょうね。
ここは、もしかしたら埋まらないギャップかもしれない。

性善説の人と性悪説の人のギャップがなかなか埋まらないように。


とにかく、私が一連の武田氏のブログを読んだ結果として

◆大雑把だが具体的な指標が示されている

◆それら指標は、基本的に「元々日本で定められていた基準」と比較したものである

◆基準についても他国のものなど色々あるが、氏の主張は
「本来あるべきだった基準」で一旦視点を固定すべきであり、
「でもこの基準ならOK」「やっぱりあの基準ならOK」という論じ方は良くない、
としている

◆その指標に基づく判断は基本的に、個々人に委ねている

◆氏による行動のアドバイスが随所にあるが、その行動指針は
「一家の父親が、妊婦幼児に対してどう言うか」という
「特に安全を見込む」方向で統一されている

と理解できましたし、またそれはごく一般的なものであると思っています。
どこか一箇所、一文だけを特に抜き出すのでなければ。


タバコの件について。

なんと衝撃的な反論でしょう(笑)

この反論を見て、コメント欄でのやり取りの限界を感じました。


私は、「確率が低いから心配ない」という主張自体が
大間違いだとは言うつもりはありません。
そういう人は、例えば海外旅行時に損害保険をかけない人ですよ。
いいじゃないですか、そういう人がいても。


私は「保険は絶対にかけろ」などとは言いません。
・・・自動車の自賠責保険以外は(笑)


私が問題視しているのはですね。


1.まず、マスコミについて:
「安全だ」という時の説明が、(少なくとも一時期は)
明らかに誤った比較、誤った根拠に基づく「安全」という主張だったこと。


2.NATROMさんの記事について:
「私は、この確率ならむしろ安全だと思う」
「だから、私ならむしろ、保険をかける必要はないと思う」
という主張だけならともかく、
「保険はかけておけよ」という主張に対して
「誤りである」
「不安を煽っている」
「デメリットが大きい」
「確率論であることを理解していない」
などと述べたこと。

なのですよ。


単に
「あるリスクを、安全と評価したか危険と評価したか」ではない。


この違いを、お分かり頂く必要があります。


私がNATROMさんの記事について
「真っ向から保険制度、人の常識を否定している」と申したのは、
単にNATROMさんが「リスクとしては小さい」という方向性の
発言をしたから、ではありません。


むしろそれこそ、保険に対する個人の選択肢の1つではありませんか!
保険は、かける事が間違っているのでも、かけない事が間違っているのでもありません。
単なる「2択」です。


わたしが「おかしいでしょう」と言ったのは、
「リスクを見て予防的措置をとっておくべきだ」
という武田氏の発言に対しNATROMさんが
2.のように「間違っている」「確率論である事を分かってない」
などという論調の主張をしたからです。

それはまるで、保険制度を否定するようなものですよ、と。


実際、また今回いただいたこの返信の中でも
「タバコを吸っても肺がんになる確率は0.02%なのだから
無視して良いと思う」
という「選択肢の1つ」を持ち出してきて
「これは人間の常識に反するんだよな?」
などという余りに的外れな指摘をしているのを見ても、

NATROMさんはこの辺の私の主張をご理解いただけて
いなかったように見受けられます。


それが私の書き方によるものでればお詫びします。

ちなみに、ご自身が引用なさった武田氏の記事からも、
所詮、外的因子と病気の発症は確率論になる、という話は
武田氏も理解している事が見て取れると思いますが・・・
放射線の場合は別だ、という主張だったのでしょうか?


ま、そうだとしても私の論旨には影響ないですね。


武田氏は、原発についてはまず前出1.の


まず、マスコミについて:
「安全だ」という時の説明が、(少なくとも一時期は)
明らかに誤った比較、誤った根拠に基づく「安全」という主張だったこと。


という問題を取り上げて、


「専門家ならば専門家らしく、正しい数字、正しいリスクをきちんと知らせるべきだ」
「間違った根拠やイメージだけで安全だ安全だと主張するのは間違いだ」


と主張したわけですよね。
そこら中に、そう書いてありますよね?
そこに異論は無いですよね?


次に、原発のリスクを「個人のモノサシで評価した結果」として


「なお私は、『一家のお父さん』という立場で考えてみた場合、
特に妊婦や子供たちは避難するように言う。」


と述べています。特に安全を見たわけですね。


タバコについては、その「個人のモノサシで評価した結果」が違うだけです。


リスクに備える方向で評価するか、無視する方向で評価するか。
それは同じ人でも場合によって違うでしょう。


個人的には、
タバコは
「二十歳以上の責任あるオトナが自分の意思で選ぶ嗜好品」
であるのに対し、
今回の放射線は
「老若男女関係なく、広い地域の住民全員が意に反して浴びてしまうもの」
であるという違いがあるため、
「リスクを評価した結果」が違うのは理解できます。


ですからむしろ、もしもネットのどこかで単に


「武田は、今回の原発に関する発言と、
タバコに関する発言が矛盾している!」


などと騒ぐ人がいたら


「この人は頭が悪いのかな?」


と思うことでしょう。


なぜなら、これは保険で言うなら、
「自動車は任意も大きく入っておくけど、
疾病の特約はつけなくていいや。」
そういう話ですから。


「オマエ、車は保険に入ったのになんで疾病は入らないんだ!」

などと目くじらを立てる人はいやしませんて。(笑)


以上。

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