津波で壊滅的な被害が出た宮城県南三陸町の避難所に、イスラエルの医療チームが大規模な仮設の診療所を開設し、エックス線を使った検査など、これまでできなかった診察ができるようになりました。
南三陸町の避難所がある総合体育館の敷地には、イスラエルの国旗が描かれた6棟のプレハブの診療所が開設され、29日から診察が始まりました。津波で壊滅的な被害が出た南三陸町では、公立志津川病院や診療所などがすべて休診に追い込まれ、医師が避難所を回って高齢者などの診察を続けています。仮設の診療所には、内科や小児科、産婦人科など、イスラエル人の14人の医師をはじめ、看護師など合わせておよそ60人のスタッフが常駐し、エックス線を使った検査などこれまでできなかった診察ができるようになります。29日は、早速、南三陸町の佐藤仁町長がエックス線の検査を受けていました。海外の医師が国内で医療行為をする場合、日本の医師免許が必要ですが、厚生労働省は、今回、東日本の被災地に限って特例で海外の医師の医療行為を認めました。イスラエルの医療チームは、この措置の初めてのケースとして、地元の医師と連携しながら、しばらくの間、南三陸町で被災者の支援に当たります。イスラエルのニシム・ベンシトリット駐日大使は「最高の医師と最高の医療機器を派遣しました。被災地で、できることがあればなんでも支援したい」と話していました。