メア氏が米側調整担当に　県内「復権」を警戒

　米国務省日本部長を更迭されたケビン・メア氏が東日本大震災の対策本部で日米間の調整担当の職務に当たっていることに、県議会などでは「日米外交の窓口には就かないはずではなかったのか」と波紋が広がった。東日本大震災で問題がかすんだ格好だが、県民感情を逆なでした発言の真意や日米両政府の評価は依然としてあいまいなままだ。
　県議会の高嶺善伸議長は１６日の記者団との懇談で「発言を個人的な問題として片付けることには納得していない。米政府は発言の真相を県民に丁寧に説明すべきだ。日本政府も県民の思いに立ち、真相究明を求めてほしい」と更迭で問題は収束しないことを強調。その上でメア氏の人事について「県民への説明がないまま外交の窓口に出てくれば、県民感情を逆なでするのではないか」と述べた。
　一方、県幹部は「日本の事情に詳しいということなのだろう。問題発言の人物の行き先について、いろいろ関心はあるだろうが、県としては粛々と受け止めるとしか言えない」と冷静な受け止め方をみせた。
　佐藤学沖縄国際大教授（政治学）は「メア氏が失った地位や名誉の回復を目指しているのは明らかで、発言を弁明する余地を残した状況でもある。今回の人事が、再び沖縄問題に関わる道を開くことにならないかを注視する必要がある」と指摘した。


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