福島から施設集団避難で2人死亡 高齢者ら190人千葉へ東日本大震災に被災した福島県いわき市の介護老人保健施設「小名浜ときわ苑」から、入所者約120人と職員ら計約190人が21日、千葉県鴨川市の「かんぽの宿鴨川」に集団避難した。 ときわ苑によると、断水と食料不足に加え、福島第1原発事故への不安もあり、施設丸ごとの避難に踏み切った。約6時間のバス移動中に80代と90代の女性2人が心肺停止状態となり、到着後に亡くなった。 鯨岡栄一郎施設長は「2人が亡くなったのは残念だが、重度の認知症で置いてくる訳にはいかなかった。施設は瀬戸際で、命からがらたどり着いた」と話した。 集団避難は、鴨川市の亀田総合病院が窮状を知って医療面の支援を申し出て、かんぽの宿との交渉を仲介し実現した。厚生労働省は「第1原発周辺の介護施設入所者の避難を進めているが、受け入れ先は分散する場合が多く、100人規模の施設を1カ所に受け入れた例は聞いたことがない」としている。 かんぽの宿に到着した入所者たちはボランティアらの手を借りながら車椅子を使い、広間や会議室、客室に急きょ並べられたベッドに落ち着いた。 【共同通信】
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