[事件]ニュース
【東日本大震災】通信の「命綱」守る 警察無線維持へ泊まり込み
2011.3.27 07:35
役所などの公的施設も大きな被害を受けた東日本大震災。携帯電話もつながらず、被害状況の把握すら困難な中、警察無線は機能を保った。貴重な通信手段となった「命綱」を守るため、今も山中に泊まり込み、無線機能維持の作業を続ける警察職員がいる。
地震発生2日後の13日、無線通信を専門とする警察職員3人が、岩手県の山中にいた。背中の背負子(バックパック)には20キロの軽油入りポリタンクや寝袋。崩落した登山道を避け、獣道を登り警察無線を中継する鉄塔を目指した。
山深い集落や入り組んだ地形の場所にも電波をつなぐ中継所。震災では30カ所が停電し、全国の技術専門職員で編成する機動警察通信隊が修復に駆けつけた。
現在も停電が続く3カ所の中継所は、緊急用の発電機で機能を維持。岩手県の山中にある中継所は、数時間ごとに軽油の補給が必要なため、寝袋や食料を持ち込んだ隊員が寒さの厳しい山中に泊まり込んでいる。
各地の災害対策本部に設置された警察無線は、被災状況の伝達や物資の要望に活用された。自治体間の情報共有でも威力を発揮。警察官が発見した孤立集落の状況が、すぐに自治体に伝えられたケースもあった。
救出作業に当たるレスキュー隊と比べ、日の当たらない任務だが、災害時に備えての登山や雪中行軍の訓練は、これまで欠かさなかった。不眠不休の作業には、被災者の力になろうという、通信隊員らの気持ちが込められている。
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