菅直人政権は30日までに、東日本大震災の復興事業を担当する新組織「被災地復興本部」(仮称)を設置する方針を固めた。菅首相が本部長となり、全閣僚が参加するという。気になる「本部」や「会議」の乱立。こうしたなか、29日の参院予算委員会で、「閣僚4、5人が寝ていた」という、許し難い爆弾証言が飛び出した。
復興本部は、未曾有の大災害を受け、省庁横断の機動的対応をするのが目的。担当閣僚として「復興担当相」を置き、仙谷由人官房副長官か松本龍防災相を起用する方向で調整している。
このほか、関東大震災(1923年)後に設置された「帝都復興院」のような組織を、復興本部傘下に創設することも視野に入れているという。
それにしても、震災発生以来、菅政権は「緊急災害対策本部」や「原子力災害対策本部」「電力需給緊急対策本部」など、数多くの新組織を立ち上げている。
「政治主導をアピールする狙い」(官邸筋)というが、会議ばかりが多くて混乱を増幅させている面も。国民新党の亀井静香代表などは「むしろ弊害。『船頭多くして船山に登る』だ」と苦言を呈している。
現に、閣僚らの緊張感欠如を指摘する声も。
29日、震災対策を話し合う参院予算委員会が開かれたが、複数の閣僚が居眠りをしていたというのだ。自民党の浜田和幸参院議員は同日配信のブログで「予算案審議で居眠りする大臣たち」と題し、こう記した。
≪それにしても、理解できないのは、予算委員会の審議中(午前9時から12時30分)にもかかわらず、菅総理以下、最前列に座る閣僚の大半が睡眠状態に陥っていたこと。こんな居眠り大臣たちには歳費も3割といわず、全額、復興資金に寄付させるべきでしょう≫
夕刊フジが30日朝、浜田氏を直撃すると「私は閣僚席の正面に座っているのでよく分かる。さみだれ式に4、5人の閣僚が寝ていた。椅子にもダラッと座っていた。この国難に緊張感がない。感覚がマヒしているとしか思えない」と断言した。
連日、震災対策でお疲れなのかもしれないが、今回の大震災による死者・行方不明者は3万人近くに達し、福島第1原発からは2週間以上も放射性物質が漏れ続けている。こんな政権に日本を任せていいのか。