【あの人は今こうしている】
大仁田厚の右腕として暴れ回ったミスター雁之助さん
【芸能】
2011年3月25日 掲載
●ミスター雁之助さん
90年代のプロレス界の台風の目といえば、大仁田厚が率いたFMW。デスマッチを看板に一大ブームを巻き起こした。本日登場のミスター雁之助さんはFMWを代表する悪役として血ダルマになりながらも、熱いファイトでファンを沸かせた看板レスラー。今どうしているのか。
「これから試合が始まるからさ、ゆっくり楽しんでってよ。オレはリングアナと音響調整やんなきゃなんないから、取材は試合が終わってからにしようや」
埼玉県蕨市。女子格闘技団体・アイスリボンの道場兼常設試合会場のイサミレッスル武闘館で会った雁之助さん、こういって記者を観客席に導いた。当日は毎週水・土曜日に開催している同団体の道場マッチの日。約100人のファンが試合を見守っていた。
全4試合と選手全員のリングパフォーマンスが終了したのは1時間半後。最寄りのJR西川口駅近くのファミレスで話を聞いた。
「最後の試合が08年12月27日だったから、プロレスをやめて丸2年になる。もう全身ボロボロ。4番目の背骨の圧迫骨折が慢性化しちゃってさ。加えて頚椎(けいつい)を損傷してて、体は思うように動かないし、シビレやマヒは日常茶飯事でね。このままじゃ、いずれ車椅子生活か……ってことで、キリのいい40歳でピリオドを打ったんだ」
現在の肩書はアイスリボン最高顧問。またリングアナ、解説者、レフェリー、格闘技興行のプロモーターでもある。
「他に『鬼神道プロダクション』って芸能プロの代表もやってて、2年前、『平成トンパチ野郎~男はツラだよ~』ってコメディー映画に主演したんだよ。そう、オレが。ミニシアターで一般公開して、DVDはレンタルショップでも好評だったから、去年、続編を撮影したんだけど、こっちは公開スケジュールが未定でね。プロレス仲間や知り合いに手弁当で協力してもらっただろ。ホント、マジで困ってんだ」
●「全身ボロボロ。シビレは日常茶飯事で」
さて、長崎生まれの雁之助さんは熊本商科大学(現・熊本学園大学)のプロレス研究会出身。
卒業後、研究会仲間のハヤブサ(試合中の頚椎損傷により、現在は車椅子の“シンガーソングレスラー”)と91年にFMWに入団。大仁田厚のタッグパートナーとなってデスマッチ路線を突き進み、悪役として名をとどろかせた。
「善玉のハヤブサはどこの会場でも若いネエちゃんの声援を受けて花束やプレゼントの山だったのに、オレがもらうのは罵詈(ばり)雑言だけ。たまには花束に埋もれてみたかったよ。実際、普段のオレはくまのプーさん。気弱で通ってんだから、ハハハ」
ン? 話しているうちに雁之助さんの首が左に傾いてきた。
「ああ、これね。頚椎損傷の影響らしいんだ。気がついたら傾いてる。完治は無理だって話で、参っちゃうよ」
3月31日に雁之助さんプロデュースの格闘技興行「鬼神道リターンズ6」が江東区の新木場ファーストリングで行われる予定だ。
「各団体のワクを超えたマッチメークがウリで、プロレスや格闘技ファンには見応えがあるファイトばかり。ハズレなしがオレのモットーなんだ。ぜひ見に来てよ」
川越市内の自宅に夫人、ひとり娘の3人暮らしだ。
90年代のプロレス界の台風の目といえば、大仁田厚が率いたFMW。デスマッチを看板に一大ブームを巻き起こした。本日登場のミスター雁之助さんはFMWを代表する悪役として血ダルマになりながらも、熱いファイトでファンを沸かせた看板レスラー。今どうしているのか。
「これから試合が始まるからさ、ゆっくり楽しんでってよ。オレはリングアナと音響調整やんなきゃなんないから、取材は試合が終わってからにしようや」
埼玉県蕨市。女子格闘技団体・アイスリボンの道場兼常設試合会場のイサミレッスル武闘館で会った雁之助さん、こういって記者を観客席に導いた。当日は毎週水・土曜日に開催している同団体の道場マッチの日。約100人のファンが試合を見守っていた。
全4試合と選手全員のリングパフォーマンスが終了したのは1時間半後。最寄りのJR西川口駅近くのファミレスで話を聞いた。
「最後の試合が08年12月27日だったから、プロレスをやめて丸2年になる。もう全身ボロボロ。4番目の背骨の圧迫骨折が慢性化しちゃってさ。加えて頚椎(けいつい)を損傷してて、体は思うように動かないし、シビレやマヒは日常茶飯事でね。このままじゃ、いずれ車椅子生活か……ってことで、キリのいい40歳でピリオドを打ったんだ」
現在の肩書はアイスリボン最高顧問。またリングアナ、解説者、レフェリー、格闘技興行のプロモーターでもある。
「他に『鬼神道プロダクション』って芸能プロの代表もやってて、2年前、『平成トンパチ野郎~男はツラだよ~』ってコメディー映画に主演したんだよ。そう、オレが。ミニシアターで一般公開して、DVDはレンタルショップでも好評だったから、去年、続編を撮影したんだけど、こっちは公開スケジュールが未定でね。プロレス仲間や知り合いに手弁当で協力してもらっただろ。ホント、マジで困ってんだ」
●「全身ボロボロ。シビレは日常茶飯事で」
さて、長崎生まれの雁之助さんは熊本商科大学(現・熊本学園大学)のプロレス研究会出身。
卒業後、研究会仲間のハヤブサ(試合中の頚椎損傷により、現在は車椅子の“シンガーソングレスラー”)と91年にFMWに入団。大仁田厚のタッグパートナーとなってデスマッチ路線を突き進み、悪役として名をとどろかせた。
「善玉のハヤブサはどこの会場でも若いネエちゃんの声援を受けて花束やプレゼントの山だったのに、オレがもらうのは罵詈(ばり)雑言だけ。たまには花束に埋もれてみたかったよ。実際、普段のオレはくまのプーさん。気弱で通ってんだから、ハハハ」
ン? 話しているうちに雁之助さんの首が左に傾いてきた。
「ああ、これね。頚椎損傷の影響らしいんだ。気がついたら傾いてる。完治は無理だって話で、参っちゃうよ」
3月31日に雁之助さんプロデュースの格闘技興行「鬼神道リターンズ6」が江東区の新木場ファーストリングで行われる予定だ。
「各団体のワクを超えたマッチメークがウリで、プロレスや格闘技ファンには見応えがあるファイトばかり。ハズレなしがオレのモットーなんだ。ぜひ見に来てよ」
川越市内の自宅に夫人、ひとり娘の3人暮らしだ。