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祝島が被災児童ら受け入れ 来島を呼び掛け
2011年3月25日(金)掲載
上関町祝島の島民らは東日本大震災で長期の避難所生活を余儀なくされている被災児童とその家族を島で受け入れることを決めた。「島内で被災者の復興を支援できることはないか」と、このほど開いた島民会議で検討し決定した。全国離島振興協会や全国町村会などを通じて被災児童らの来島を呼びかけている。

受け入れ対象は幼児、小学生と保護者で5〜10人程度。島内の空き家を活用し、被災者の意向を聞いて分宿か合宿かを決める。滞在中の生活費は、島民ができる限り米、野菜、魚などの食材や寝具などを提供し、被災者の負担を軽減する。島までの交通費も、JRや運輸会社に協力を要請する予定。
 
受け入れに当たって自治会が空き家などの住宅を選定。祝島出身の町議が地元祝島小学校への通学などを町教委と折衝。島での生活に関しては祝島婦人会が世話を担当するなど、島をあげて受け入れ準備を整えている。

祝島は本土と通じる同町長島から約3.5キロの離島。半農半漁の島で人口は約500人。長島田ノ浦に中国電力が計画する上関原発計画に、約30年前からほぼ島民ぐるみで反対を続けている。島では今年から太陽光発電など自然エネルギー100%を自給するプロジェクトを島ぐるみで推進している。

今回の受け入れの事務局を担当する畜産家の氏本長一さん(60)は「島民で支援できることを、とすぐに受け入れがまとまった。16年前の阪神淡路大震災の際、被災児童に対する物心両面のケアが早急に必要なことが指摘されたため、対象を児童に絞った。今回の大震災の苦難を共有することで被災地の復興に役立てば幸い」と話している。
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