東日本大震災が起きた11日、東京電力の勝俣恒久会長、清水正孝社長ら最高幹部3人が出張中で、当日中に本社へ戻れなかったことが17日分かった。社内では震災当日の11日中に非常災害対策本部が立ち上がったが、本部長の社長は不在だった。
東京電力や関係者によると、勝俣会長と皷(つづみ)紀男副社長は震災当日、日中の経済交流を進める「愛華訪中団」の一員として中国・北京にいた。勝俣会長が団長で、12日まで上海や南京などを回り、中国政財界幹部と会合を開いた。11日は成田空港が使えず、勝俣会長らは12日に帰国した。
また、清水社長は当日、関西方面に出張中だったが、11日に電車で帰京できず、翌12日にヘリで戻ったという。清水社長は地震発生から2日たった13日夜に初めて記者会見を開いた。
東京電力広報部は毎日新聞の取材に事実関係を認めた上で「問題があったかなかったか、今はコメントできる段階ではない。(原発事故対策など)安全を最優先に取り組んでいる」と説明している。
毎日新聞 2011年3月18日 東京朝刊