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群舞力を全面に出した構成に、OSK「春のおどり」

2011年3月29日

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写真:「レビュー 春のおどり」製作発表より 桜花昇ぼる、高世麻央、桐生麻耶拡大「レビュー 春のおどり」製作発表より 桜花昇ぼる、高世麻央、桐生麻耶

 来春、創設90周年をむかえる「OSK日本歌劇団」恒例の公演「春のおどり」が、4月3日に大阪松竹座で開幕する。2004年に大阪松竹座で復活して以来、8回目の公演となり、OSKの看板となった「春のおどり」。これまでは芝居的なミュージカルと、歌と踊り中心のレビューの2本立てとすることもあったが、90周年を前にした今年は、原点に戻る形で「群舞力のOSK」を全面に出したレビュー2本立てとなる。(文・坂口智美、写真と動画・岸隆子、インタビューは東日本大震災発生前に行ったものです)

 OSK日本歌劇団は、今年で創設89年目を迎える。1922年(大正11年)、レビュー劇団としてOSKの前身の松竹楽劇部が大阪ミナミで生まれた。1926年(大正15年)に松竹座で第1回「春のおどり」が人気をさらい、主題歌の「桜咲く国」のメロディーと共に「浪速の春は、“春のおどり”から」と謳われた名物公演だった。それからは、大阪劇場(大劇)、あやめ池遊園地と本拠地が変わったOSKだが、2004年(平成16年)、紆余曲折を経た新生OSKの「春のおどり」が、66年ぶりに大阪松竹座に復活した。あれから8年、すっかり大阪の春の風物詩となっている。

 今年の公演は、レビューの2本立て。3月9日にホテル日航大阪で開かれた製作発表で、第1部の日本物「繚乱 さくら 桜 サクラ」の作・演出・振付の山村若は、「来年の90周年に向けての華やかな舞台。一度、全編桜で…と思っていた。満開の桜・夜桜・葉桜・桜狩など、桜の世界を妖艶に、またコミカルに、お客様に贅沢なお花見を楽しんでいただきたい」と話した。また、「今年は、初舞台生を入れて43人。決して大人数とは言えないが、稽古の目が行きとどきますね」とも。

 第2部「STARS LEGEND DANCE DANCE DANCE」の作・演出・振付は、OSKと関わって来年で50年という大谷盛雄。「OSKからは、これまで数多くのスターが生まれ、輝かしい歴史と伝統がある。“おどりのOSK”を実感して頂きたい。若手が非常に成長してきているのをひしひし感じる」。OSKを熟知している2人の師による厳しい稽古は、初日の4月3日まで続く。

 製作発表には、OSK男役の3トップ、桜花昇ぼる・高世麻央・桐生麻耶が桜色のきものとグリーンの袴姿で登場。会見後、洋装に着替えて、アサヒ・コムの単独鼎談インタビューに答えてくれた。

 トップになって四年目の桜花昇ぼるは、歌・踊り・芝居の三拍子揃った男役。舞台に立つと大きく見えるのに、普段は奈良弁が心地よい、たおやかな女性だ。幼いころからOSKに親しみ、何よりもOSKを愛している心情が言葉に溢れている。「OSKの男役になるのが自然な流れでした」。「今回のレビュー2本立ては最もOSKらしい舞台、歌と踊りでつづるショーをたっぷり楽しんで頂きたいです」。

 男役2番手の高世麻央は、華麗でフェアリーなイメージ。ころころと鈴のような声で、歌劇の男役になる為に、横浜から大阪に来たという。ダンスの得意な高世は、「OSKは群舞力と言われますが、1人1人が輝かないと群舞力はよくならないんです」。「今回は、レビューのみということで、下級生達も個性を出そうと意欲的」。「OSKの底力を観ていただきたい」。

 桐生麻耶は、OSKの男役をビデオで観て、大学を辞めて入学したという。低音でとつとつと話す中に、器の大きい、何が出てくるかわからない不可思議な魅力が感じられる。「学生時代、陸上競技をしていたのですが、陸上は記録で、舞台は人の評価。正解はないけれど、失敗しても減点にはならず、どう活かしていくかが大切ですね」。桐生の入学試験時のエピソードには、その場に居た全員が大爆笑。桜花のつっこみもあり、全体を通してとても和やかな、笑いの絶えない鼎談インタビューとなった。

 彼女達3人に共通するのは、幼い頃から稽古をしていたのではなく、ある程度の年齢になってから自分で歌劇の男役への道を決めたこと。劇団存続の危機も経験したからか、舞台に立つことが何より嬉しくて、本当にありがたいという気持ちが汲み取れる。観客や、ファン、仲間、スタッフ全ての人に感謝、その気持ちがOSKの財産だろう。「日本中、誰でも知っている劇団に、必ずなりたいのです!」という桜花の言葉通り、OSKは前進し続けるに違いない。

《筆者プロフィール》坂口智美 フリーアナウンサー。ラジオの放送記者を経て現職。大阪生まれ、在住。音楽・美術・観劇・美食・旅をこよなく愛し、各分野のコミュニケーションを目指す。チュニジアが故郷のアロマテラピーの啓蒙にも力を入れている。(IAA国際アロマニスト協会関西支部長)

【インタビューの全文はこちら】

◆OSK日本歌劇団 レビュー「春のおどり」

《大阪公演》2011年4月3日(日)〜2011年4月10日(日)、大阪松竹座
詳しくはOSK日本歌劇団オフィシャルウェブサイトへ

スターファイル

桜花昇ぼる、高世麻央、桐生麻耶 インタビュー全文掲載 写真つきサインプレゼント

 桜花昇ぼる、高世麻央、桐生麻耶のインタビュー全文を「スターファイル」コーナーに 群舞力を全面に OSK「春のおどり」桜花昇ぼる・高世麻央・桐生麻耶、鼎談の全文 として掲載しています。スターファイルの記事本文を読むにはAstand・ベーシックパック(月額525円)の購読が必要です。ベーシックパックの購読は、こちらから。スターファイルでは、今回のインタビューの写真つきサインプレゼントを実施しています。抽選で3名様に。詳しくはプレゼントのページに。応募締切りは4月12日です。

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 (関連リンク:OSK日本歌劇団オフィシャルウェブサイト


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