2011年3月30日 11時14分 更新:3月30日 11時28分
東京電力福島第1原発の1~3号機で、タービン建屋外の「トレンチ」と呼ばれるトンネル状の構造物から放射能を帯びた水(計約1万3000トン)が見つかった問題で、東電は30日、2、3号機については地下1階のタービン建屋とトレンチをつなぐ配管で、水が行き来することが可能な状態であることを明らかにした。2号機については、通常運転時の冷却水に比べて10万倍以上の高い濃度の放射性物質を含む汚染水が、タービン建屋地下で確認されている。また原子炉圧力容器が何らかの損傷を受けているとみられることから、炉内の汚染水がタービン建屋を経由し、トレンチに達している可能性が極めて高くなった。
3号機については、がれきのためにトレンチにたまった水の放射線量を測定できていないが、構造が2号機とほぼ同じのため、タービン建屋の地下の汚染水(通常運転時の冷却水の約1000倍)と同じ汚染水の可能性がある。
一方、1号機のトレンチは、汚染水がある地下1階ではなく、地上でつながっていることも判明した。このため東電は、1号機のトレンチの水は海水の可能性が高いとみている。今後はこれらの膨大な汚染水を、どのように処理するかが課題となる。【江口一】