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【サッカー】

カズ復興ダンス 44歳J最年長プレーヤーが魅せた

2011年3月30日 紙面から

日本代表−J選抜 後半37分、ゴールを決め、カズダンスをするJ選抜の三浦=長居陸上競技場で(谷沢昇司撮影)

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◇復興支援慈善試合 日本代表VSJリーグ選抜

 東日本大震災の復興支援慈善試合が29日、大阪・長居陸上競技場に4万613人の観衆を集めて行われ、日本代表が2−1でJリーグ選抜を下した。日本代表は前半15分、MF遠藤保仁が右足でFKを直接決めて先制。同19分にも、FW岡崎慎司が追加点。後半に挽回したJ選抜は後半37分、J最年長プレーヤーのFW三浦知良がゴールを決め、1点を返した。両チームの選手たちが被災地への思いを胸に、ピッチで奮闘した

 会場を埋めた4万人の大観衆、いやテレビ中継されている被災地に向け、カズが約束通りの“ダンス”をプレゼントした。日本代表からJリーグ選抜が奪う歴史的なゴールは、J最年長プレーヤーの44歳の右足から生まれた。「みんなの気持ちが一つになったゴールだった。まだまだ苦しい日々が続くと思いますが、世界中みんなで乗り越えましょう」。試合後、カズはスタンドへ向けて万感の思いを示した。

 2−0で迎えた後半37分、GK川口からのロングキックが前線へ。パワープレーで居残っていた闘莉王は狙いすましたかのように、カズの前にボールを落とした。DFに追いすがられながらも、右足のインサイドで合わせたシュートはゆっくりとゴールに吸い込まれた。

 Jリーグ選抜で唯一、J2から選出された。これまで日本サッカー界を引っ張ってきたカズの功績と絶大なネームバリューを、こんな試合にこそ生かさない手はない。試合が決まるや、Jリーグ選抜にはカズの名前があった。

 「こんな時にサッカーをしてていいのか正直迷った。でも、許されるならサッカーで協力したかった。前に進んでいかなきゃいけない。前に進んでいかないと日本全体が終わってしまう。立ち止まるより前に進まないといけない」

 カズは何度も「前に」という言葉を使った。

 試合前には小笠原や俊輔と今後の支援についても話し合った。「ボールも用具もなくて所属しているクラブがなくなるかもしれない。子供たちがサッカーをやめてしまわないようにしなくてはいけない。選手でできることをしたい」。被災地へ、諦めない気持ちと前へ進む勇気を込めたカズのゴールとダンスは、確かに届いた。 (荒川敬則)

 

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