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【スポーツ】東北 ありがとう!!全力プレー2011年3月29日 紙面から
◇センバツ高校野球<第6日>がんばろう!日本、ありがとう甲子園−。被災地から出場の東北が28日、1回戦最後の試合、大垣日大戦に登場。先頭打者本塁打を許すなど、1回に5点を失うなどして0−7で完封負けを喫した。しかし、東北ナインは最後まで諦めない全力プレーを貫き、震災後の生活に困窮する地元・宮城県をはじめ東北地方を勇気づけた。 最後のヘッドスライディングは届かず、東北は4安打完封負け。だが、最後まで諦めず1点を追い求めた姿に、惜しみない拍手が送られた。「勝ち負けではいい結果じゃないが、しっかり全力疾走、全力プレーできたと思う。胸を張って宮城に帰りたい」。上村健人主将(3年)の目に涙はなかった。 ただでさえ緊張する初めての甲子園マウンド。上村はエースで4番、さらに主将の重責と、地元の期待を一身に背負ってきた。その緊張からか、打者一巡の猛攻で5失点。2回以降は立ち直ったが、結局6回途中、14安打7失点で降板した。「1人で投げきりたかったけど、後ろの2人に任せた」。上村の帽子には「勝利の方程式 自分+夏井+片貝 火事場の3バカ力」の文字。投手3人で力を合わせ「逆境の時こそ、持っている力以上のものを発揮できるように」との思いを込めた。 他にも「2011・3・11」「感謝」の文字。地震の日付は全員の帽子に記されている。「感謝」は上村がこの18日間で最も身に染みた言葉だった。「当たり前と思っていたことが当たり前じゃないんだと気付いた」。電気や水道のない生活、連絡が取れない友人−。大震災を境に人生も考え方も変わった。 応援されることも当たり前ではなかった。選手の親でも駆けつけられなかった人は多い。仙台から来た生徒は100人ほど。それでも5300席の応援席は、兵庫の高校球児らで超満員。「『東北頑張れ』の声がよく聞こえた。温かい声援がうれしかった。甲子園に来られて本当に良かった」と上村。 授業の再開は4月中旬がめどというが、決まってはいない。帰郷後はまたボランティアに戻るという。その中で野球にも全力投球する。試合後、甲子園の土は誰も持ち帰ろうとしなかった。「夏に必ず戻ってくるから」。初めての夢舞台は、勝ち星以上に大きなものを与えてくれた。 (竹村和佳子) PR情報
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