落語家の立川談四楼を父に持つプロボクサー・高田小次郎(28)=六島=が快進撃を見せている。21日に判定勝利を収め、デビュー4連敗から引き分けを挟み8連勝(6KO)。一気にA級まで駆け上がった。
「ボクシングを始めたのは、父の影響が大きい」。談四楼は大のボクシング好きで、98年に落語とボクシングを題材とした小説「ファイティング寿限無」を執筆している。小説の取材を兼ねて観戦に出向く父と小学生のころから行動をともにし、「自分もやりたい」と思うようになった。
20歳の時に東京・金子ジムに入門し、23歳でプロデビューも3連敗(1分け)。「環境を変えたい」と大阪で出直しを期すが、初戦は2回KO負けに終わった。デビュー4連敗となり「もうやめたい」と心が折れそうな時、父が「相撲界には『3年先の稽古』という言葉がある。すぐに結果が出なくても頑張れ」と支えてくれた。「胸にきた。くさりかけた時も、父の言葉で頑張れた」と振り返る。
デビュー戦から3年後の6戦目で初勝利を挙げ、ここ2年負けなしの8連勝でA級昇格を決めた。目指すは世界チャンピオンだ。「4連敗からはい上がってきた。努力したから結果が出るとは限らない。でも絶対に報われる。そういうことを伝えられるボクサーになりたい」。リングの上から“冗舌”に、物語を紡いでいく。“オチ”はもちろん、ハッピーエンドだ。
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