2011年3月30日0時59分
29日午後0時半ごろ、福岡県久留米市上津(かみつ)町の農産物直売所の駐車場で「車に銃弾が撃ち込まれた。撃たれた車が犯人を追いかけている」と110番通報があった。久留米署員が捜したところ、現場から約300メートル南の国道3号で撃たれた四輪駆動車を発見。指定暴力団道仁会(本部・久留米市)の関係者2人が乗っていたが、けがはなかった。
県警は暴力団同士の抗争の可能性があるとみて、殺人未遂と銃刀法違反(発射)容疑で調べている。
発表によると、車に乗っていたのは、いずれも住所、職業とも不詳の30歳と28歳の男性。直売所の駐車場に停車していたところ、フルフェースのヘルメットをかぶった人物が歩み寄り、車に向けて数発を撃ったという。助手席付近の5カ所に弾痕があり、一部は車内に貫通していた。
犯人は身長170センチぐらいで中肉、茶色のジャンパーと紺色のジーパン姿。顔はヘルメットで隠れていたという。現場から走って逃げたらしい。
現場は国道3号沿いで、約100メートル南には上津小学校がある。この日は春休み中だったが、敷地内にある上津学童保育所には1〜3年生約80人が預けられていた。
小学1年生の息子を迎えに来た40代の母親は、学校からの連絡メールで事件を知った。「発砲事件が起きました」「子ども1人で遊ばせないように」との内容だった。母親は「物騒です。子どもたちは春休みなので外で遊びたいだろうけど、我慢してもらうしかない」と話していた。
道仁会を巡っては、2006年に同会から分裂した指定暴力団九州誠道会(本部・福岡県大牟田市)との抗争が続いている。09年9月には道仁会系組長がダンプカーで誠道会幹部の車に突っ込む事件があったほか、昨年11月には同県柳川市で誠道会系組長が覆面姿の2人組に襲われかけたのが確認されている。