震災の影響で部品の調達が滞り、自動車の生産がストップするなか、世界各国の自動車メーカーに部品を供給している日立製作所の子会社の工場で、一部の生産ラインが再開し、来週にも全面的に復旧できる見通しとなりました。
生産を一部再開したのは、茨城県ひたちなか市にある日立製作所の子会社「日立オートモティブシステムズ」の主力工場です。この工場では、エンジンに供給する空気の量を計測するセンサーや、エンジンを制御する電子部品など、世界的に高いシェアを持つ電子機器を生産しています。しかし、震災で建物や生産設備に被害が出たほか、電気や水道も止まったため、生産ラインを動かすことができなくなり、日産やゼネラル・モーターズなど、内外の自動車工場の生産に大きな影響を与えました。このため、4000人近くの従業員に加え、ほかの工場から毎日250人近くの応援の人員を投入して復旧を急ぎ、2週間ぶりに一部の生産ラインの再開にこぎ着けました。まだ、3割余りの生産ラインが稼働していませんが、来週にも全面的に復旧できる見通しとなりました。日立オートモティブシステムズの大沼邦彦社長は「世界中のメーカーにご迷惑をおかけして申し訳ない。復旧に数か月かかると思ったが、昼夜を挙げて作業をした結果、大幅に前倒しして復旧できるめどが立ってきた」と話しています。