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東日本大震災:福島第1原発事故 菅首相「津波の認識誤った」--参院予算委

 ◇視察批判には反論

 菅直人首相は29日午前の参院予算委員会で、東日本大震災の影響で東京電力福島第1原発を襲った津波について「(原発設置)当時の津波に対する認識が大きく間違っていたのは否定しようがない」と述べ、津波の想定を今後の検証対象とする考えを示した。一方、同原発を視察したことが放射性物質を含む気体を原子炉から排出する「ベント」の遅れにつながったとの指摘に対しては「(初動対応が)遅延したという指摘はまったくあたっていない」と反論した。首相の国会答弁は震災後初めて。

 津波に関し、首相は「(1960年の)チリ地震の後にできた原子炉でありながら、チリ地震の基準も満たしていないとすれば相当問題だ」と述べた。視察がベントの遅れを招いたとの指摘には「政府は12日午前1時半にベントすべき姿勢を明確にし、一貫してその方針を東電に伝えてきた」と強調した。原発事故への対応では「最大限の緊張感を持って取り組む」と表明した。

 同原発を廃炉にするかについては「その可能性は高い」と語った。【中山裕司、大場伸也】

毎日新聞 2011年3月29日 東京夕刊

 

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