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米軍 かつてない規模で支援

3月29日 19時3分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

アメリカ軍は、「トモダチ作戦」と名付けた今回の支援活動に2万人近い兵士を派遣し、災害支援としては、かつてない規模で臨んでいます。

支援活動の中心は、交通などが遮断され、支援が十分に行き届かない被災地に物資を送り届けるもので、現在、被災地の沖合に原子力空母をはじめ、およそ20隻の海軍艦艇を派遣しています。このうち、宮城県気仙沼市の離島、大島は、一時孤立していましたが、アメリカの海兵隊と陸上自衛隊が協力して海と空から支援物資を届け、16日ぶりに電力も復旧させました。また、アメリカ軍は宮城県の仙台空港や岩手県の宮古港、それに青森県の八戸港などで、がれきや海底に沈んだ船の撤去作業を進めており、空港や港の機能を回復させることで、被災地に大量の支援物資を届ける態勢を築くことにしています。「トモダチ作戦」を指揮するため、アメリカ軍はハワイからウォルシュ太平洋艦隊司令官をはじめ、およそ300人の司令部要員を在日アメリカ軍司令部のある横田基地に派遣しています。また、自衛隊と緊密に連携するため、仙台と東京にそれぞれ「日米共同調整所」を設けて、互いに情報を共有し、効率的な活動を目指しています。一方、福島第一原子力発電所の事故を巡っては、アメリカ軍は原発から半径90キロ圏内での活動を見合わせており、支援は放射性物質の被害を防ぐための資材の提供に限られています。具体的には、これまでに放射線を吸収するホウ素を9トン、消防自動車2台、さらにはポンプや防護服のほか、原子炉などに真水を給水するために必要なバージ船と呼ばれる大量の水を積載できる大型船を提供しました。また、グアムから無人偵察機「グローバル・ホーク」を発電所の上空に飛行させて、写真などを日本側に提供しているとしています。アメリカ軍は、希望する兵士の家族を日本の国外に避難させており、これまでに7400人が退避したということです。