松井OP戦は9年で最悪 ガラ悪いファンは凡打にハイタッチ

2011.03.29


松井は打ちまくって本拠地のファンを黙らせるしかない(共同)【拡大】

 米大リーグ・アスレチックスに移籍1年目の松井秀喜外野手(36)は、アリゾナでの春季キャンプを終え、27日夜(日本時間28日)に本拠地オークランドに戻った。これからは熱狂的な地元ファンとの勝負も始まる。

 今年は持病のひざに「心配がなく、ここ何年かより打つ量が多かった」と話す松井。オープン戦を3試合残した時点ですでに65打席に立ち、例年にないペースで実戦を重ねている。ところが成績自体は、メジャーでの9年間でも最悪だ。

 ここまで19試合で打率・125(56打数7安打)、1本塁打、2打点。結果より内容が問われるオープン戦とはいえ、打者の本能として「打席に入れば常に結果を求めている」のに、数字に結びついていない。

 特にアリゾナで観客席のため息を誘ったのが、得点機で凡退を繰り返したこと。2打点は満塁での押し出し四球とソロ本塁打によるもので、適時打はまだゼロだ。勝負強さを買われたはずが、6併殺は両リーグを通じてワースト2位タイ。大リーグでは走者を置いた打席で凡退すると個人の残塁も記録されるが、松井は33まで達している。

 オープン戦終盤には、ガラの悪さで知られる自軍ファンに、目を付けられてしまった感さえある。松井が打席に入ると「引退しろ!」「死球を食らえ!」などとヤジ。一塁走者がいると「またダブルプレーだ!」と大声で予告し、その通りになると周囲とハイタッチして騒ぐこともあった。

 本拠地球場「オークランド・コロシアム」でのお披露目となる29日のオープン戦前には、松井個人の会見が設定されるなど球団からは丁重な扱いを受けている。だが、いざグラウンドに出れば、殺伐とした右翼席の地元ファンから厳しい目を向けられるのは必至。コロシアムを味方につけるためにも、名刺代わりの豪打炸裂といきたい。(米カリフォルニア州オークランド=笹森倫)

 

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