EMフェスタ2003 > 発表大会


比嘉照夫教授 講演会
2003.11.16


「有用微生物応用研究会」   
  第20回大会の記念講演

 昨日から今日にかけて、たくさんのEM情報をお寄せいただきました皆さん、それからこの大会にいろいろご協力いただきました皆さんに、まずはお礼を申し上げます。
 EMの公開発表会「有用微生物応用研究会」は、今年で20年目を迎えました。EMは1980年に完成しましたが、当時私はまだ助教授で、これを発表すれば教授にさせないと言われるような状況でした。化学肥料・農薬全盛時代で、私も化学肥料や農薬をずっと勧めてきたわけですから、それらを否定して自然農法だとか、自然を上手に使って化学肥料農薬を使わない農業へ進むと言うと、やはり「お前は裏切り者」みたいなことも言われたりしました。そのようなことも、20年経過すると大変楽しい思い出になっております。
 EMがなぜこういう形で発展してきたかということですが、私は自分で体験して確かめないことにはダメなんです。読むだけではわからないんです。
 その代わり一度自分が体験したら、これをあらゆる分野に応用し始めます。ですから、EMの摩訶不思議な現象、それをそのまま正直に受け取りました。これは今までの学問にはない、とか、常識に反するとか、そういうふうに言われても、私はそのまま受け取ることにしました。
 農業がこの世の中で最も尊い仕事だ、と、私は子供の頃から思っています。「農は国の基なるぞ」というこの言葉に酔いしれて、私は沖縄県の北部農林高校を出ました。まさにその通りだと思ったのです。
 ですがいつの間にか、気がついたら農業は国のお荷物になり、いろんな社会のマイナスをたくさん増幅していました。例えばアレルギー、難病の原因や環境破壊や汚染などです。
 それで何とかこの問題を解決しなければと思っていましたが、結果論的には運良くEMが出てきました。これは開発途中におこった、ほとんど偶然の産物なんです。しかもそれはペットボトルが出回ったこの時代に入ったからできたんです。簡単に密閉できる容器、これがなかったら難しかったと思います。材料をペットボトルに入れて置き忘れたら、これが膨れていたのです。大変だと思って調べたら、この中でまったく性質の違う微生物がカップリング状に存在していました。これを失敗だと思ったのですが捨てずに、なんとなく使ってみようという気になったのです。
 そして使ってみたら、びっくりするような成果が現れたのです。しかしこれを普及しようとすると、理論的、化学的にはおかしい、と言われ、私は微生物の専門家ではありませんから、まったくお手上げだったんです。でもこれを使うと作物も良くできる、水もきれいになる、どんどん環境が蘇ってきた。さっきの森田さんの話ではありませんが、そういう状況が出てきました。
 これは自然の本質をきちんとおさえていける突破口になるんではないか思い、今度は微生物学の本を片端から買って読み始めたんですが、これが、からっきしダメなんです。
 要するに今の微生物学は、個々の微生物の性質を調べ、それを応用する、ということでは非常に優れていますが、複合させたり、またはそれを自然の環境の中で応用しようとするとまったく役に立たず、こちらの期待通りの内容はありませんでした。ですから自分でまず実行しよう、というところから始まったんです。
 私は非常に愚鈍な性格といいますか、一つうまくいくと、他のことを考えず、これ! という感じでやります。結局それが、最終的にはEMの力は抗酸化という世界に行き当たったのです。酸化と還元ではなく、酸化、抗酸化という世界です。たまたま運よくその抗酸化とフリーラジカルを説明する論文や情報が、どんどん出てきてましたので、うまくそれと合致したという感じなんです。   
 いろいろ試しているうちにEMには非イオン化作用すなわち、電気を帯びさせない力があるとか、いろんな有害な波動が消えてしまう、放射能さえもコントロールするという重力波が関与していることが分かったんです。
 しかし、これもチェルノブイリの原子力発電所の事故が起こらなかったら、こういうことにはならなかったんです。
 私はEMで放射能の対策をやろうと思い、日本国内でいろいろ試したんですが、厳しい条件ばかりで思い切り実験できないんです。それなら困っているベラルーシに直接乗り込んでやろうと考えました。結果として、昨日EM医学国際会議でコノプリヤ先生に発表いただいたような、原爆症、要するに内部被爆対策にも使えるようになったんです。
 それから今回からスタートしたEM土木建築会議。どうして、土木建築にEMが関与するかと言われるんですが、EMをしっかり使えば300年以上持つコンクリートが作れます。本気で管理すれば、私たちの普通の家でも千年ももたせられるかもしれない。もしそうなったら都市設計、都市計画、家の作りかたは根本から変えないとダメです。
 日本は30年くらいで住宅を建て替えたりします。アメリカが80年前後、フランスが約70年、イギリスが石の建物ですから約130年です。今、日本に豊かさ感がないのは住宅ローンと医療費、教育費等にたくさんお金を取られているためです。
 そういう意味で、根本的に私たちの生活のあり方、豊かさ感を変える土木建築という分野に踏み出したわけです。これも20年間という積み上げがあって、そしていろんな皆さんが協力をしてくださったおかげです。コンクリートに微生物を混ぜて家を作るなんて、普通の考えでは不可能です。自分の家にEM入れようなんて人は…。ですが、中には熱烈なるEM好きな人たちがいまして、私の話を聞いて、建築土木関係の人たちの反対を押し切ってどんどんお家を作ってくれたんです。すると、この家に住んでいると病気になりにくいとか、かつては週に一回はだれかが病院に行っていたのに、だれも行かなくなったとか、化学物質過敏症も消えたとか、不思議な現象がたくさん起こって、いろんなことがだんだん分かってきて、EM健康ハウスが実用化されるようになったのです。
 研究を進める内に、非イオン化作用までは分かったんですが、なぜ放射能や電磁波など、いろんな有害な波動がたちどころに無害かするのか。無害かするどころか、そういうマイナスのあった所ほど効果が高いのです。
 プラスマイナスというのは人間側から見ていることであって、規準から外れ突出した部分は全部エネルギー、力なんですね。したがって、ひどいところほどエネルギーのレベルが高く、効果がはっきり現れてくるんです。結局、数年前からこれは重力波、すなわちグラビトウエーブという概念を導入しないと、説明が不可能だということになりました。
 これまでの考えでは、私たちは、エントロピーの増大の法則の世界に生きていますが、EMはエントロピー増大とは違う、逆の世界です。要するに、汚染をエネルギーにし、そのエネルギーで物質化が促進され、秩序がしっかりなっていき、蘇生の方向へ向かっていきます。この現象はエントロピーとは逆の概念ですので、私は「シントロピー」という言葉を勝手に造りだして、4年ほど前からEMの効果は「シントロピー現象」だと説明するようにしてきました。
 そして私の原点には「農は国の基なるぞ」という言葉があります。農業を通して、農業する人も豊かに、健康になり、農業生産を通して環境や自然を積極的に守り、そして、その生産物を食べる人がまた健康になる、という原点です。この原点を実行できれば、私は学者としての社会的責任は十分に果たせると思ってEMを普及してきました。幸いに、いろんな厳しい条件の中で、たくさんアドバイスをくれる方々がおられ、またいろんな分野の人と情報交換ができるようになり、今日にいたっています。
 だんだんとこの活動が成長してきて、さきほど渥美先生が講演されましたように、人間はなぜ生まれてなぜ死ぬのか? 「人生」というものについて、また質のよい人生を送るにはどうすればいいか、と、いろんなことを考えなければならない段階に直面することになったんです。
 いろいろ考えましたが、やはり人間は、自分の人生を納得するために生まれてきているんだと、このためのトレーニングをしていると思わなきゃいけないんです。
 しかし人生を納得しようと思っても、食べるものがなくて大変な目にあったり、病気になると思い切った活動が出来ない、食べるものや健康管理は自分の責任だと思っても、農薬や有害な物があふれて環境がおかしくなった現状では、これは個人の努力の限界を超えています。大気汚染は個人の努力ではどうにもならないし、国民全員が農業をしているなら、有機農業して身体にいい作物を食べればいいんですが、農薬を使っている農作物が95%以上も出回っていれば、これはもう個人の努力を超えているんです。
 そのようなことを考えていくと、結局これは日本だけではなくて、地球規模の問題なのです。しかし、最終的にEMの本当の力を認識した時、私はこれで「農は国の基なるぞ」という言葉が実行できると、考えるようになったんです。
 考えを詰めていくと、結局自分の人生を納得するために、人類が皆きちんと質のいい人生を生きるためには、まず食料の問題を解決しなければなりません。自然を破壊し、環境を汚染して食料を作るやり方では自滅的ですから、それとは逆に、資源を高度に機能的に循環させながら、また今まで使えなかった自然のエネルギーを高度に利用していく必要があります。
 私たちの解決すべき共通の課題として、まず食料問題、医療、健康問題、そして環境問題を同時に解決しなければならない。その次に資源エネルギーの問題があります。
 EM技術では、お米などは倍くらい取れます。沖縄のサトウキビは今の3倍は取れます。砂糖は乾燥させて白砂糖にするためいろいろ問題が起こるんです。サトウキビの中には多数の抗酸化物質があります。サトウキビを絞ってEMで抗酸化力を高めた上でシロップにする。どうせ砂糖は使う時は溶かすんですから液体でも良いわけです。そうすれば砂糖を食べることが健康維持を増進するということになるんです。
 サトウキビを栽培して砂糖を作るときに絞ったバカスは、お札までは無理ですが、株券くらいの良質の紙が作れるんです。おまけにサトウキビの青い葉っぱなどは、EMで処理すればすばらしい牛の餌になる。その牛の糞尿は水産の餌に、また農地に還元すれば更に生産力は高まり安定するようになります。
 このような考えを拡大していくと、太陽から膨大なエネルギーを集めることができます。私たちは植物、すなわちバイオマスで太陽からどれだけエネルギーを集めているかというとまだ1〜2パーセントです。EMをうまく使えば10%以上も固定する可能性があります。すなわちサトウキビは有り余るくらいにできますから、それをアルコールに変えて、燃料電池の水素源にする。あるいは直接これを燃料にしてもいいわけです。アルコールを取った後は、たくさん乳酸が残ります。この乳酸を原材料として、すばらしい生分解性のプラスチックに変えることも可能です。その残りにもまだ栄養がありますから、これでプランクトンなどを養って、次の食物連鎖につないでいく。材料が捨てられずにすべてが再利用され、どんどん豊かにしていけるのです。
 自然は本来すごい仕組みを持っていて、これをみんな微生物が動かしていると考えた方が無難です。有害な微生物のレベルが高まると、今日のケニヤの発表にあった衛生問題ように、にっちもさっちもいかなくなり、どう解決したらいいか、ということになります。
 あの、キベラスラムは世界で二番目に大きなスラムで、これまで政府は多数のNGOが手をつけても解決できない、たいへんな頭痛の種であったと過去形で私は言っております。というのはすでにEMで着々と、衛生問題を解決しているからです。
 あの厄介なホテイアオイもりっぱな有機肥料になるし、工夫次第では家具の材料や紙の原料にもなります。その作業はたくさんの人に職場を提供することになります。それからエイズについても、免疫力を上げれば、HIVを保菌していても発病しないことが明らかとなっています。私たちは実験を重ね、EMはそれを可能にすることを確信しています。
 食べるために働くとか、私はこの道を進みたいけれど、生活のために嫌な仕事をせざるを得ないとか、こういうことから解き放たなければ、人間は自分の人生を納得する時間を持つことはできません。もちろん自分の人生を納得しようと思ったら、プロフェッショナルにならないとだめです。自分が病気にならないための知識も、自分がなにをするときも無駄のないように、まさにEMの言う、ローコスト、ハイクオリティの仕事ができないといけません。そのためにはものすごくたくさんの情報を正しく集約し、身につける訓練をする時間が必要なんです。
 東京芸術大学の学長で日本画家の平山郁夫先生と私が対談し、2003年11月6日の記事が日本経済新聞に載りました。平山先生のお話を聞きますと、古典からなにからずーっと写していらっしゃるのですが、写しながら歴史的な背景も全部読み取っていかれるんですよ。だから、あの先生は千年、2千年、5千年、という単位で物事を判断し、歴史をちゃんと皆さんに説明してくれるんです。勉強したんじゃないんです。歴史や文化を写し取っているんです。これが膨大な労力と精神力のトレーニングにもなっています。しかも、小さい時から絵の天才ですよ。そういう人が気の遠くなるようなトレーニングをし、しかも、それだけの時間をかけて、またその時間を作るのに健康管理や自己管理に大変な苦労をされているのです。
 私たちも、自分はこの道のプロになりたい、というなら徹底してEMで雑用を片付けて本当に自分の使える時間を作っていけばいいんです。
 そして次元を恒に上げて問題を解決する必要があります。いろんな戦略で相手を抑える、という今の経済や政治、この低い次元から早く卒業するべきです。
 幸いにして、21世紀になって、EMによる具体的な解決方法が見えてきました。20年前のEMは効く、効かないから始まって、今はもうあらゆる社会のしくみの中にじわーっと入り始めています。アース大学や、全州大学など、大学でしっかりとEMを研究し、EMを専門とする人材を育成し、国づくりをしようという方向を決定した大学が出てきました。
 例えば、さきほどもお話したように、300年間も建て替えの必要がなければ、住宅ローンに苦しむどころか、自分の人生を納得させる予算も生み出せる。また病気というのは、さっき渥美先生が言われたように、もう基本的なところは解決しているわけです。それを踏まえた上で、やっぱり病気になるのも、その対策ができていないという教養の問題なんです。すなわち病気に対する教養がないから病気になるということです。今のように健康のことを医者まかせにして、いざとなってからあわてて本を読んでも間に合わないんです。
 EMの世界では、蘇生の力を前向きに積み上げていけば、かならず最後はこの酸化、抗酸化の世界から非イオンの世界、またはエネルギーのやり取りの世界から重力波の世界となり、奇跡ともいえるような形に収束するんです。うまくいかないものは、これを途中であきらめたか、やり方を誤ったか、あるいは、戦略的に処理をしたか、だけなんです。その原理をおさえてきちっとやっていけば、すべての物を蘇生の方向に誘導することが可能なのです。
 この研究発表会は、EMが効いた、効かないから始まり、いろんな事例を集め、あらゆる分野で分科会をつくって展開してきました。それを更に発展させるために、沖縄県の場合ですと、名護市の名桜大学で、EMの講座が始まりました。何年か経てばこれもアース大学や全州大学とおなじように国際環境学部として発展させて、EMの研究・教育を中心に専門家の養成をやっていこうとも考えております。
 それから渥美先生の指導をいただいている、EMウェルネスセンターのことですが、ウェルネスというのは、健康でハッピー、という意味です。そのセンターでは、病気になるということは、「気づき」ですから、あなたの健康管理のやり方がまずいから病気になりましたよ、ということに気づいてもらって、病気をきちっと自力で治して、二度と病気にならないため生活術を身につけるセンターを作ろうということなんです。沖縄県の北中城村にある、旧シェラトンホテルを私たちが改装して、EMウェルネスセンターとして、「病気を治す」ではなく、「病気にならない」ための本拠地を置いて、これを全国、世界に広げるように具体的な取り組みを始めています。
 こういうかたちでEM技術が広がっていけば、私たちが排出するいろんな汚染もすべて力になり、レベルも上がる。人間は病気だとか、住む場所や環境、食べることに悩まされずに済む。そういう問題が片付くと、争いの9割くらいは消えるんではないかと考えています。あとの1割は遺伝的、精神的、霊的、いろんな問題がありますので、すべて解決するとは言いませんが、自分で、自分の好きな方向へいけるという体制ができると思っています。これからEMをみんなが生活化していけば、意外に早いんではないかと楽観しています。私は壮大な夢を見ているとよく言われますが、20年でここまでやってきましたし、今ではたくさんの協力者がいます。
 そしてEM技術を私たちの教養として身に付ける努力が必要です。ですから幼稚園、小学校からまずEMの使い方を教え、社会人も高齢者も、みんなEMを知り、それを使いこなすということ。いろんな形で応用して生活化していくというふうに、生きる力を培う教養として位置づけしなければいけないと思っています。これからもどんどんいろんな分科会をつくり、またインターネットのEMの環境学習ネットワークとか、ぼかしネットワークとか、自治体のネットワークを通して各市町村に広げていくべきなんです。
 EMをしっかりやればこれほど安いものはないんです。それでもなかなか自治体に入りません。今日の柳川市の成果はまさに注目すべきことです。河野市長さんは私にだまされたかもしれません。最初に会ったときに私が、「河野さん、EMを使うと、行政コストは半分になるんですよ」と言ったんです。実際、行政コストが半分になった地域もあるんです。一つの市町村の使用量をまかなえる製造能力のあるEMの培養装置を10万都市に入れても一千万以下ですよ。まず住民の生活をEMライフにし、余分なEMは、消防自動車で訓練をかねて町中、屋根からみんな撒いて回ればいいんです。そうしたらその地域の衛生問題も解決するわけですから。私たちはEMの正体も増やし方もみんなオープンにしているわけですから、EMを使ってどんどん地域のマイナス的な要因を消すこともできますし、何よりも公の理にかなった住民の協力が得られることになります。
 要するに社会的なマイナス負担を減らすことです。その一番大きいのが医療費です。次は環境問題です。その次は犯罪とか、教育の失敗のためにいろんな社会に迷惑をかける。このような社会的マイナス負担が自然に消えるしくみになればみんなリッチになるんです。EM活動はこれからそこを目指していかなければならないと考えています。
 農業をするということは、農業を通して農家の人が健康になり、そして作物生産を通して、収量が2倍も上がると、炭酸ガスも2倍資源として回収できるんですよ。そして2倍も環境がきれいになるんです。その上に農産物を食べる人も健康になる。EMを使うことで川がきれいになり、ホタルも蘇り、海の資源も増えていく。農業が変わらなければすべてを守ることはできません。今までの農業は環境破壊や健康阻害の権化みたいなものですが、EMで農業が環境をよくし、健康を守る基になるのです。
 これは工業でも製造業でもそうです。EMを工場で使えば、そのことが積極的にそこで働く人々の健康を守り環境をよくし、社会的役割を果たすことになります。我々が生活すれば、必ず環境を汚染しますし、環境負荷は増大します。でもそれにEMを使えば、この環境汚染源が環境浄化源になり、りっぱな生産資源になり、すべてをインテグレートする、という蘇生の方向にいくわけです。
 この象徴的なものが、森田さんに協力いただいたシャボン玉EM石けんです。これは洗濯すれば汚れがよく落ちます。我が家はEMで清潔ですから汚れたものはありませんので、その石けんは旅行中のホテルでしました。ホテルの汚れたじゅうたんを自分で拭いてみました。トイレも流しも洗って全部調べました。その洗浄力は抜群です。私たちのほうでも以前からEM石けんは作っていますが、汚れはよく落ちます。そして排水が流れるシンクの油もぬめりもよくとれます。しばらくたつと、EMの仲間が増えてきて、水も川もきれいになって、魚もホタルも帰ってくる、という状況になるんです。
 今までの石けんでも微生物が分解しますから、それはそれでいいことです。しかし中性洗剤のように化学物質ベースだと、分解するとはいっても量の問題です。へたをするとほかの化合物に変わったりするんです。中性洗剤による水の汚染は予想以上に深刻です。日本の大半の家庭で毎日大変な量が使われています。しかしEM石けんだと、汚れもよく落ち、しかも毎日水をきれいにする生活になるのです。水をきれいにし、地球をよくするボランティアをやっているんです。おまけに服が2倍も3倍も長く着られるし、服の波動が上がってすごく健康的になるんです。こういうところを目指して、いろんなかたちでみんなの協力を得ていけば、未来は必然的に明るくなるのではないか、と思っています。話したらきりがありませんので、これからスライドでいくつかの事例を紹介したいと思います。



 これはベトナムのごみ処理場です。ハノイの周辺は皆平坦地ですからゴミを捨てるときは地面を掘るんです。掘ったところにゴミを運んできて入れて、EMをかけます。EMを使うことは法律で決まっていて、積極的な行政指導が行われています。




 このゴミ捨て場から水が染み出てくるんですが、この段階でかなり水はきれいになっています。悪臭はまったくありません。




 その水をくみ上げてこのEMマットを通して次の池に通します。




 このホテイアオイで水がだんだんきれいになっていくのですが、実はこのホテイアオイ、取り出してEMをかけて、バナナの間とか畑へ入れると一週間から10日で有機肥料になるんです。普通のやり方だと半年かかります。また豚のエサにもなりますし、アヒルのエサにもなる。畜産にもすばらしい。いざとなればこれは紙の原料にもなるんです。臭くないし、すごくいい資材です。



 そして最後こちらから放流するんですが、その裏の水田は、肥料もなにもやらないのによく育つのです。ここのバナナやキャッサバは、水草をただ敷いただけです。さきほどケニヤのプロジェクトの話をしましたが、実はこのベトナムの体験からケニヤに、あの提案をしたんです。




 肥料も、なにもやらずに水草を敷くだけで、すごいバナナが採れるようになったとのことです。




 これは世界最大の都市ゴミコンポストを実施しているエジプトのカイロです。まずゴミを運んできて、EMで臭いを消してこの建物の中でリサイクルできるものと出来ないものを分別します。




 再利用できないプラスチック、生ゴミ、紙などが出てきます。




 それにEMをかけて、都市ゴミコンポストをつくるんです。
 都市ゴミコンポストは、アイデアとしては従来からありますが、実際にやると臭いが大変です。それから蝿も大発生します。以前EMを使う前は蝿を掻き分け歩くというくらい蝿がいました。
 それからプラスチックが含まれますから、放っておくと自然発火します。ですからいつも水をかけなくてはいけない。水をかけるとこれが染み出たところに汚い池ができて、大量の蚊が発生するんです。おまけに出来た堆肥は質が悪い。だから農家の人も嫌がって引き取らない。エジプト政府はこれで頭がいたくて大変だったわけです。
 5、6年前から我々と共同してEMを使用しています。エジプト政府も成果に納得しています。本当は今回のEMフェスタに環境大臣がお礼に来る予定だったんですが、来れないということで昨日メッセージがありました。
 コンポスト化は通常半年かかりますが、EMでやりますと、45日で完成します。




 最後にふるい分けをして、残ったプラスチックは堆肥の山に戻します。これを2.3回繰り返すと、プラスチックも全部分解して肥料になります。今、このやり方はかなりの地域に広がっています。




 おとなり中国の揚子江の水を北京の黄河の先まで引っ張って、その地域の水不足を解消しようという「南水北調」という計画があります。特に北の黄河河口域というのは塩が吹き出て、物が作れない土地が45万ヘクタールもあるんです。45万ヘクタールというとピンと来ませんが、沖縄県の2倍くらいの面積です。
 これは微山湖という所で、長野県が入るくらいの湖です。ここが周辺の紙工場とか生活雑排水により、アオコで汚染されています。すでに約100キロの運河を完成し、全部で1500キロくらい敷く計画だそうです。沖縄から東京に近いくらいの距離です。この運河計画でも、やはり汚染が問題で、いろんなことをやったんですが、コストや効果の関係から結局EMできれいにしようということになったのです。




 紙工場でEMを使わせています。これは紙のスラッジです。このスラッジをスコップで取り出します。




 このような状態です。これをこのまま畑に入れ、有機肥料として使っています。




 そうすると土がほかほかになって、作物もよく茂るんです。




 普通の大豆はこの3分の1くらいのところまでしか実は付かないんですが、これは下から上までびっしり。紙工場のスラッジというのは、とてもアルカリが強くて処理しにくいのです。ですがEMを使えばすばらしい有機肥料になる。紙はもともとセルロースですから、これを分解するととてもいい腐植ができるんです。ためしに皆さん新聞紙を小さく切って上からEMボカシをパラっと振って、EMの活性液や発酵液を撒いて土をかぶせてごらんなさい。2、3週間経ったら土は真っ黒になりますよ。新聞紙は全部分解してなくなります。これくらいすごいんです。酒工場とか都市排水を全部そのようにして放流したら、下流がきれいになります。




 これはアメリカの2千頭クラスの乳牛を保有している大きな牧場で、固液分離、糞と尿を、固形物と液体に分けて、その液体部分が流れてくるところです。この牧場は全部にEMを使っています。




 この積み上げられたものがそのままボカシになっています。そして一番の池からオーバーフローして2番目の池に、3番目の池へとオーバーフローしていきます。




 これが3番目の池です。ここはBODで5ppm以下です。以前は汚染がひどくて、農業用水にも使ってはいけないということになっていたんです。しかし今は農業用水用も許可がおり、こんどはこれを非常時の水道水に取ってもいいということになったんです。
 水の汚染問題などいろいろありますが、EM技術を使えばただオーバーフローさせるだけです。空気を送ったり、いろんな設備を作る必要はないのです。




 この池の色は赤くなっていますが、光合成細菌の色です。糞尿をエサに光合成細菌を思い切り増やすとこういうふうに赤くて、臭いのない状態になるんです。




 この光合成細菌の増えた水をポンプで送ってスプリンクラーで撒いています。臭いはありません。光合成細菌ですから、菌体もアミノ酸など、特にプロリンが多いんです。ですから植物は充実するし、糖度は上がるし、病気にならないんですよ。この水を川や海に流すと魚介類がものすごく増えるんです。
 畜産廃棄物でEMのベースである光合成細菌を増やせば、すべてが機能性の高い、すごい有機肥料となり、資源を復活させる材料になります。




 これは私たちが瀬戸内海をきれいにしようと活動している原点になった、愛媛県側今治市の染色工業の廃液処理場です。こういう汚い液が出てくるんですが…。




 排水にEM処理をすると24時間で透視度が3メートルくらいにきれいになります。そして放流します。




 石垣の一段目の上の部分まで水面があったのが、ヘドロが消えて砂も見えてきれいになりました。




 下の川にめだかも群がるようになった。これは1.5キロあるかないかの川なんですが、3人を中心にしたボランティアが15万円かけて、1年間で3千トンのヘドロを消したんです。行政で3千トンのヘドロを消そうと思ったら1億2千万かかります。




 これは小学校の子供たちが汚い川にEM団子を落としたんです。




 やがて団子が溶けて、水がだいぶきれいになってきたんですが、




 こんな風にボラが沸くように増えてくるんですね。EMが効いてくるとたちどころに魚は卵を産みます。農薬や化学物質があると魚は卵を産みません。だからそういう川には大きい魚はいても小魚はいないのです。環境が浄化され安定すると小魚は増えてきます。




 これは愛媛の瀬戸内海蘇生交流会、NPOです。瀬戸内海をきれいにしようという組織で、このグループはEMの培養装置を自分たちで作りました。




 そしてEM活性液を今治城のお堀に撒いたんです。そしたらなんと2年で1万5千トンのヘドロが消えたんですよ。これ金額にしたらたいへんですよ。5億円以上もかかってしまう。以前は付近の住民が魚を釣っても臭いと言って投げ返していたんですが、今はおいしいんで釣ったらみんな持ち帰る。そのうちここで水泳大会をやらせようと考えています。これは、みんなボランティアです。小田会長が中心になって、糖蜜代程度の補助を受け、あとはみんなが楽しんでこういうふうにきれいにしています。




 これは琉球大学の学生たちです。うちの大学の中にもひどい汚い池がありまして、外から生活雑排水が流れ込んできます。大学の中ではいろんな事情があって、校内からはEMを入れられないので、大学の外から入れましょうということで、ここからEM活性液を毎週1トン流しました。




 こういう汚い生活雑排水が流れていくんです。




 EMを投入して3ヶ月後です。透視度は、10センチ前後だったのが、50センチくらいになりました。今は3年目に入り、この中央の橋から見ると底が見えるほどきれいになっています。



 琉球大学のトイレは全部、この池の水を中水として使っています。EMを入れて3ヶ月後から、大学のトイレがきれいになり始めました。普通は中水を使うと、白い便器が黄色っぽく、しみがあるような、臭くて非常にやっかいなトイレになります。しかしそれが全部とれて、新品のトイレみたいです。びちゃびちゃになっていても臭いはありません。男子トイレの尿石も、EMを使い出してから一度も掃除せず、もう3年になります。琉球大学へこられたときは、どうぞ男の人は男子トイレの尿石があるかどうか調べてみてください。これくらい変わったんです。そしてこの水を使って農場の作物を栽培しています。以前はみんな病気だらけだったのが、この水使い出して2年目くらいから、作物が良くできるようになった。




 池から流れ出る川です。前はちょっと茶色っぽい水だったんですが、今は透視度が2メートル以上です。非常にきれいな水で手長エビ、沢ガニやウナギなど生物がいっぱい増えてきています。これが宜野湾市の川へ流れて、6キロくらい先の港川というところで海に出ています。この川の下流はヘドロも全部消えてきれいな川になりました。おなじ川の合流地点に、琉球大学の医学部の方から流れて来る川があります。そちらから流れてくる、上の方の川はまだ汚いです。下の方はみんなきれいで、この牧港の方は魚がよく釣れるようになりました。




 これは先ほどの九州の柳川ですね。河野市長さんが説明されましたが、要するに行政は、市民が思い切りEMを使える準備をする。そしてEMを使うためのトレーニングをする。その楽しみを理解させる。これをやっていけば、行政コストは結果論的に半分になります。
 なぜかというと医療費の補填費が極端に下がるんです。例えば福井県の宮崎村。これは7年前は人口4100人で96億円の借金があったんです。今はもう借金はありません。なぜかというと医療費が福井県でだんとつに低い状態がずっと続いているんです。ゴミ対策もほとんどEMでやります。下水処理の汚泥も全部EMで処理します。また自分たちで作ったEMの野菜をフリーマーケットで売って1年間で1億円あまりになっているんです。あんな小さいところでこういうことが起こるわけです。宮崎村の財政は今、村単位でいきますと、日本のトップですね。




 これは白秋祭の時のものです。このあたりは底の砂利も見えるます。これは矢部川から入ってきたところです。




 水路がだんだん落ち着いてきまして、ヘドロもかなり減ってきました。もちろんこの水を使って作ったお米はおいしいです。さっき市長が今年の米の味は数値が落ちたと言っていましたが、あれは私に言わせると、EMを使う量が足りなかったというだけなんです。思い切り使えば絶対味は落ちません。




 これは大牟田の魚市場です。ここにもEMのタンクが何トンもあります。




 競りが終わると床を全部EMで洗い流すんです。そして漁師の人がEMを持ち帰る。魚も500倍とか1000倍で洗うと鮮度保持にもいいんです。それから生け簀にもEMを入れています。




 1年経ったころ、左の石は全部ヘドロで埋まって見えなかったそうです。このような場所にアサリが出てきたんです。これまで全く姿を見せなかったイソギンチャクやムツゴロウも見えるようになってきた。海苔も他のところよりもよくなってきたとのことです。




 これは瀬戸内海です。福山の近くに内海町というところがあります。ここは汚染でアマモもまったく生えないくらい、ひどい海だったんです。これがEMで海苔を梳いた排水を流したら、海のヘドロが消えて、魚も増えて本格的なホンダワラが出てきた。このホンダワラは健康食品や、プラスチックの材料にもなるし、あらゆる海の資源で、応用の原点になるものです。アマモとかいろんな海草もありますが、このホンダワラが出ると、卵も小魚も保護されて生き延びるようになり、漁業の復活のシンボルともいえます。




 これはEMをしっかりやったトマトの限界突破です。遺伝子組み換えとか特別なことを一切せずに、何倍も取れるんです。2倍は確実にとれます。




 トウモロコシです。これも本来は1本しか実らない品種なんです。EMを思いっきりやるとこのように4本も出てしっかり実が付くんです。




 この大根もそうですね。松山市に希望ヶ丘という知的障害者の施設があります。そこの子供たちが巨大大根に挑戦して作ったものです。おいしくて、大きいのは17キロあったといいます。




 これは南方の人ならびっくりするんですが、竜眼です。普通はしょぼしょぼとしたなり方で、こんなにビッシリとは実が付きません。これはタイのチェンマイやその周辺の都市ゴミをEMでコンポストにしたものを使ったものです。




 これはEMを使って20年選手の、福井県の田畑さんのお米なんです。今年は福井県は低温とイモチ病で大減収で5〜6俵のところが多かったのです。しかし田畑さんのところは徹底してEMを使ったら、今だかつて経験したことのない、すごい米が取れたということで礼状と一緒にお米を送ってきてくれたんです。(13俵)
 こういう状況を考えると、自然を破壊せずに今ある農地で、今の人口が倍になっても食糧をまかないながらすべて循環させられる、このような未来の計画も立てることが可能なんです。




 これは茨城県の皆さんが、EMで発酵させた生ゴミを使って作っている家庭菜園です。すばらしい状態です。この野菜を取って、まずいお酒とかワインを半日くらい一緒に置いておくと、たちまちにしておいしいまろやかなワインに変わるんです。野菜からEMの波動が出ているからです。




 これは私の家です。私は、国土交通省と農林水産省が提唱している、全国花の町づくりコンクールの審査員長をしています。その私の家に花がないのでは困るので、15年前から生ゴミ、花の残さを入れて、育てています。学生にも協力してもらってずっと続けているんです。私の家に塀はありません。すべてオープンにしています。




 これは今回のEMフェスタの展示場にも出ている、大善さんの丹後ちりめんの工場です。私は以前の工場の様子は見ていませんが、EMで洗ったら壁の汚れが全部取れたというんです。




 蘇生ちりめん、大善株式会社、EM菌使用工場と書いてあります。




 このダクトの下が特に白いんですが、錆がコーティングのようになっていたと思うんですね。錆がとれたらそこの部分だけ特別に白くなった。工場全体も新しくペンキを塗り替えたみたいになっています。




 EMの活性液を作り、セラミックスを入れてこのダクトから上に湿気を吹き上げてEMセラミックスにあてた空気を工場内に送っているんです。それからパンフレットにもあったと思いますが、大善さんのところは手の内を全部明かしているんです。セラミックスやEM資材を使い、糸をよるところからこんなふうにやっていますと公開しています。工場から出た水はきれいで、今まで汚かった川に小魚、ホタルが帰ってきた、こういう状況に変化しているのです。




 工場の中です。ホコリや錆はほとんどありません。病気や風邪で調子の悪い従業員が、この工場で1日働くとすっかり元気になるそうです。だからここの会長さんは、うちの工場はどこの病院よりもいい、と言っています。
 これは、自分の家でも職場でも同じ事が出来るということなんです。ここが大きなポイントです。要するに工場の存在そのものが従業員の健康を守り製品の質もよくなり、その製品を着た人も元気になる。そんなこというとまた薬事法だ何だと、怒られるのですが、現実に大善さんの服を着てみれば分かることです。それは大善さんだけではなくて、あらゆる産業にそういうことが可能だということです。




 これは韓国です。先ほど全州大学の総長が話したとおり、数年後にEM関連の学部を作っていこうということで、前準備でこれだけの建物ができているんです。




 これはEM技術研究所。中身は先ほど総長から詳しく紹介いただきました。




 これは南米のアース大学の、EM施用の実験風景です。無農薬のバナナを作れたら、中南米ではバナナの革命だ、といわれます。
 ここにはEM工場があり、客員教授であるEM研究機構の奥本くんがEMを入れているところです。




 このバナナ園はカビ病とネマトウダが多くてとてもひどい畑だったんです。EM施用後は、このように立派に回復しています。




 この時期に葉っぱがこんなにたくさん付くというのは従来の常識では考えられないことです。




 通常、収穫直前になると、2、3枚しか葉っぱは残らないんです。EMをやると倍以上残りますので、糖度の高い、すばらしいバナナができるんです。最近日本でサニートとか、有機バナナといったエクアドル産バナナをよく見かけます。この大半にEMが使われています。さっきからバナナのことはあまり言いませんでしたが、EMは今すごい勢いで中南米のバナナ生産者の間に広がっています。




 バナナを加工した後にいろんな廃棄物が出ますが、それをボカシにしてこれをまたバナナ畑に戻している。アース大学はもうしばらくすれば、300ヘクタールのバナナ農園を、こういうやり方で全部EMに切り替える予定です。これが完全無農薬になれば、それらのバナナをヨーロッパに輸出するだけで、大学運営はできると思います。
 私はEMを学べて即実践できる大学を作りたいと思っていました。しかしここの大学長の話を聞いているうちに、もう私の思う大学はすでにスタートしているのだから、じゃあ私たちはこの大学を応援しましょうということで、初代の客員教授としてEM研究機構の新谷くんに行ってもらいました。今彼はアメリカにいます。それから2代目として奥本くんが行ってます。彼が終わればまた3代目を送る、とこういうやり方でアース大学、全州大学、うまくいけば沖縄の名桜大学、まずこの3つから始まって、もちろんEMをやりたいという大学は各国ありますので、そこと連携しながら、若い人たちを育てて、自分たちの未来を自分たちの力で作っていくというスタンスに変えていけば、地球を救う大変革という大それた私の社会公約も、実現できるのではないかと考えています。




 これは海の事例ですが、ワカメをEMで処理すると、EMを入れないものと比べて3倍は取れるんです。海っていうのはものすごい力を持っています。




 これはさっきのホンダワラ、さっきはアップを見せましたが、こういう形で群生します。




 これは中国の青海省です。食料問題というと、やはり砂漠を生産緑地に変えなきゃいけないのですが、チベットにはこのような塩の海があるんです。塩分が全面に吹き出るんです。これを私のところの卒業生の郭くんが、青海省へ戻って実験をはじめました。この写真のすぐ近くです。




左はEMをやったところです。EMをやらないと右のようになり、2作目からは塩分によって、作物ができなくなってしまうのです。しかしEMをやると2作目からも非常にうまくいきます。




 対照区と試験区は、見ただけでもこんなに違います。




 こんなふうに表土に塩が吹き出てくるんですが、ちゃんと牧草が育つ。そして毎年よくなっていくんです。この現象はパキスタンでもエジプトでも、また最近ではシリアとか、中東のいろんな国でも確かめられています。




 水はあるけど塩分が多くて作物が作れないところでも、このように緑地として使えます。北朝鮮の食料の問題はEMでほとんど片付いております。麦の裏作もきちっとできるようになりました。EMをやれば地温が上がりますので、2毛作がきちんとできるためです。
 EMを使えば、農業やその他の生産活動を通して、健康問題、環境問題は解決できます。私たちの未来は望ましいと言えます。シントロピー的な共存共栄社会をめざすには、やはり個々がハッピーであるということと、社会的存在、いろいろなしくみが矛盾のないような形になっていく必要がありますが、やがて結論が出るんではないかと思います。またこういう未来に向けてのスタートが切れた、この20年でここまでベースができ上がったということに対して、皆さんと共に喜びたいと思いますし、また改めてご協力いただいた皆様方に感謝申し上げて、私の今年の総括講演を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

The Theater Event --------
Effectiv Microorganisms