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”提言”近未来型行政力(自主自立×住民幸福度)の指標
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琉球大学農学部教授 比嘉 照夫 |
●ビデオ(事務局にて作成) 池本 よろしくお願いします。私たちはわくわくしながら瀬戸内海の現状を見に行きましたが、その時に同行されたのが…。 ツルネン 私たち二人、それから環境ジャーナリストの枝広淳子さんも一緒でした。そして多くのマスコミ、東京から日本テレビ、そして広島から中国放送も同行して、私たちは二日間、このEMの働きをじっくり見て回りました。 池本 この海苔を作っていらっしゃる、養殖業者の方の所に行きました。海苔の養殖というのは、環境に非常に負荷を与えると聞いておりましたので、そのあたりも含め、いろいろと伺いながら見せていただいたのですが、海苔の養殖はかなりたくさんの水をリサイクルして使うという…。 ツルネン そうです。そしてその水にもいろんなものを入れますね。 池本 消泡剤を使って泡を消したり、塩素を入れて消毒をしたり、ということがございます。そしてなんと…。 ツルネン 一箇所だけで、1日1千トンの海水を流しているのです。そこでは広島県の内海町の兼田さんという人が、その毎日海に流している1千トンの水にEMを入れて流した。それで大きく変わったことがすでに起こっています。 池本 ご紹介したいと思います。広島県沼隈郡内海町、ここはご存知の方も多いかと思いますが、四方が海に囲まれた漁業の町です。海苔の養殖を営む、兼田功さんにお会いしました。 豊かな海を資源として、昭和38年ごろから天然の海苔の養殖が行われてきました。近年の海の汚染が原因で、漁獲高の減少が大きな問題となっています。そんな中、兼田功さんは平成9年から、海苔養殖にEMの技術をいち早く取り入れ、大きな成果を上げていらっしゃいます。 兼田 6月の末に海苔の網を雨にさらしますが、腐敗しているので、すごい臭いがあり、住民を困らせていました。しかしEMのぼかしと活性液を使って発酵型にすると、海苔網の種付けにもいいし、迷惑をかけないし、いい方向にいくのではないかと教えていただいた。臭いもなし、洗い機で洗わなくても水を流したくらいできれいになる。 まず、セラミックスと1万倍に薄めたEMXを、貝殻の入った水槽の中へ入れ、それから種付けを始めたのです。それで種付いたものを容器の中へ5時間から6時間浸け置きして、水を切って、また1万倍のEMXでスプレーして冷蔵庫へ保管する。また種を育苗する時期に、1号2号3号を入れた希釈液で散布します。 普通海苔というのは、加工したら魚のうろこのように、ガサガサするんです。でも今年のは、ポンプで詰まってすごく硬い海苔ですが、加工したら1番か2番くらいの海苔ができた。1800枚やってる中で、普通網というのはだいだい3分の1は悪いのです。悪い年には全滅ということもある。しかし1800枚が、1800枚皆同じ網なのです。赤潮が出ても生き残るという状態になりました。それだけの差があるということですね。 工場の中に、12月から2月の末までリサイクルしている水ですが、普通リサイクルしてる水は、5日から1週間したら腐敗して臭くて、工場の中には入れない状態です。しかしEM処理することによって、抗酸化、発酵にもっていくから臭わない。 今年で4年になりますが、平成9年に私が初めてEMを知り、水路をきれいにするという経験がありました。台風が来て、満潮と重なって大雨になると、水路が満タンになって、道路を越して水が流れる状態になるので、その対策を考えてくださいと、町長さんと話していたのです。その工場で処理水を1千トン流したことで、70センチくらい溜まっていたヘドロが、3ヶ月で全部なくなって、コンクリの生地が出てきた。そのすごさに私は感動した。その年に漁獲などの変化はありませんでしたが、平成11年にトリ貝が異常発生した。その年はいっぱいの船が20日くらいで300万の水揚げ。のぼり潮には、尾道水道から出てくる水と因島から流れてくる水とガッチンコするんです。のぼりからさげになってくるときには沖の潮がひろいから、沖の方へ、布刈の方へといく。そうしたら田島沖を通る潮が多いわけです。つまり、EM処理した水が流れる方向にあたるコースにトリ貝が異常発生した。それで今年は岡山県の神島、下は因島まで流れが行って、EMが分解し、トリ貝・ワタリ蟹・カタクチイワシ・アサリなどが捕れるようになった。アサリといえば、山波の州は、潮干狩りでこの近辺では有名なのです。それがここ5年くらいは、韓国から稚魚を入れても育たなかった。でも今年は何もいらないし、約3600人が潮干狩りに来た。尾道の漁協の方が、ボーナスが下りたと喜んでおりました。 池本 これは皆さまに見ていただきたい、2つの事実、実証データです。まず、田島漁協さん、さきほど海苔がたくさん取れるようになったとおっしゃていましたが、海苔の生産枚数をちょっと見てください。平成6年は3687枚、平成8年、9年はほぼ同じですが、平成10年からこんなに増えてきて、平成13年は6千枚を超えているのです。 ツルネン 倍近くに増えてますね。 池本 そしてこれは走島地区の水揚げの実績。イカ・ナゴ・チリメン・カエリ・ イリコ・アミエビ、その他ですが、この赤くなっているところはどんどん減ってきましたが、平成12年あたりから上がってきて、なんと平成12年には平成10年の倍近く、平成13年には3倍近くになっていますね。 |
●ビデオ(事務局にて作成) 「海の汚染の原因は」 (山口大学工学部教授 浮田正夫) 浮田 我々は一般的に、水質は改善傾向にあると把握しているわけです。しかし一方で、漁獲量が非常に減少している。いろんな場で漁業者の方から悲観的な話を聞くことが多くなっている。考えられる要因として、例えばやはり浅海域の藻場・干潟、こういうのは漁業の再生産の場として非常に重要な場なのですが、これを我々は今まで埋め立てで、ずい分失ってきているのです。時間遅れでその影響がじわじわ出てきたのではないか、ということがひとつ、それからこれが重要なのですが、農薬・合成洗剤・医薬・環境ホルモンと言われる微量の化学物質の影響も考えなければいけません。 「山口県周辺の状況は」(NPO法人地球環境共生ネットワーク地区リーダー 浦上卓三) 浦上 なによりも海の底を見ますと、ミカン畑の下に草が生えてない赤土が見えるように、海の底には除草剤を撒いたように、生物がいないのです。草が生えていない。そして魚も見えない。これは何が原因だろう、やはりこれは薬品が強い影響を与えているのではないか、その中でも塩素の害が大きいのではないか、と私は感じております。 この映像は知的障害者の皆さんに応援していただいて、油谷湾にアサリの放流をしております。しかし5月18日に調べてみたら、10センチ下は全部死骸になっていました。その前に私たちはEMで土壌作りをしたのですが、うまくいきませんでした。そんなに簡単に土壌改良はできなかったということを知りました。 どうしてアサリが捕れなくなったのか、というのを潮が引いてからよく調べてみました。これは琉球大学の比嘉先生の園芸学教室の学生の皆さんが来たときに、一緒に調査したものです。その干潟をよく調べてみますと、この管のずっと先には処理水が放流されるようになっております。ところがたまたまここが漏水して、日焼けしておりました。近くの漁師さんが「そこ見てみな、塩素の臭いがするけ」、と言うので行ってみますと、本当に塩素の臭いがパンパンしておりました。この塩素がずっと先まで行って、海を汚しているんだな、と僕は本当にびっくりしました。そして、その処理場を調べてみましたら、このように塩素が投入し、塩素の下をくぐって水が放流されている。全国の施設として、小さな施設でもそういうふうになっているのではないかと思います。 それでこのように活性液を大きなタンクに運びまして、その中に毎日出る米のとぎ汁を入れてもらうようにしています。そして毎日その台所からとぎ汁活性液を流せるという、簡単なしくみになっております。 そのようにしたら、先ほどの塩素で焼けたところが、青々と蘇っていました。この写真は今年の6月26日の写真です。そしてアサリも捕れるようになった。それじゃあもう塩素を入れるのはやめたかなと思い、今年の8月14日、琉球大学の学生が来てくれた時に一緒に調べました。やはり塩素は入れていました。まだ入れていたにもかかわらず、また塩素以外の薬品が害を及ぼしていたかもしれないのに、EMを投入することによって、海がよみがえり、アサリが捕れるようになったという、ひとつの実例としてご覧になっていただきたいと思い、この写真を用意しました。 この時のCODを測ってみたら、値が10くらいでした。これは比嘉先生にお聞きしたのですが、CODが10くらいになったら、大腸菌は3000はいないと(注:1ccあたりの基準値)、もう塩素を入れる必要はない状態になっていると。にもかかわらず、塩素は毎日投入されている。こういう法律がいいのでしょうか。法律が魚を殺したり漁民が食べられなくなっているという現実を、皆さんと一緒に考えていだたきたいと思います。 池本 こういうことについて、町の方の対応はどうなっているのですか? 浦上 EMの効果を感じ始めた漁協と、町役場、産業振興課、琉球大学の学生と一緒に、船にたくさんのEMセラミックスを乗せております。600キロほどのセラミックスを、EMで作った液の中に2日浸透させて、それを海に投入しました。町が動き漁協が動くようになりました。そして何よりも学生が農協の皆さんにも指導してくれているので、学生ががんばってくれるということで、町の人がとても熱心に受け入れるという体制ができてきました。 これは農業関係の方々が一緒にぼかし作りをしているところです。 これは山の上から琉球大学の学生たちと一緒に、EMの活性液を流しています。今ではこれは公有地ですが、漁業者のための用地です。これを町がどうぞ使ってくれということでお借りしました。それと漁業組合の方がボランティアの私たちに、是非海を浄化してくれないか、ということで漁業組合の委託を受けて、このように海を浄化するためのタンクを30個ほどここに設置してあります。 そしてこれは下にあるポンプとパイプですが、海水を導入して海水でEMを培養して海に戻すことを考えています。海を浄化するのだから、海水を使うのがいいのではないかと思って海水でEM活性液を作っているところです。そして山の上にもっていき、左側の細いパイプから点滴で、川に落ちるようにしてあります。1日で400リットルくらい落ちます。 これでどういう結果が出たかといいますと、これは安下庄漁協のイリコの取扱高についてのグラフです。平成11年、12年ごろからぐんと急カーブで上がってきました。12年から13年にはおそらく倍以上になったと思います。これは必ずしもEMのおかげだとは言い切れませんが、兼田さんの海苔のことを聞きますと、やはりEMを撒いている影響があるのではないかと思っているところです。 「大きく変わったまち安芸津町の現状は」(広島県安芸津町助役 山脇弘史) 山脇 これは最近の映像ですが、アマ藻が生えてきております。環境浄化の表れではないかと漁業者の方も認めてきています。その他、メダカが発生したり、ヘドロがなくなって臭いが消え、蚊もいなくなる、という現象が出てきております。やはりEMの効果は早く出るということ、それから使いやすいし、費用が安くつく。 うちの場合、協同体制については、環境衛生対策プロジェクトチーム以外にも、福祉行政を使っております。それはどういうことかというと、共に支え合おうというのが基本です。それを今度は条例化することにしました。平成13年12月1日、安芸津町環境美化および浄化に関する条例を制定しまして、行政の責務・住民等の責務・事業者等の責務ということで、全員が責任分担して環境浄化・美化をしようと。その中に住民の責務として、EMを使って環境浄化に協力しましょう、という条項を入れております。これで一つの指針的なものができましたので、これに基づいて今進めております。 昨年の暮れごろから、牡蠣筏でEM団子を投入しております。この4日に調査した結果、EMが浸透しつつあるという状況でした。これから明確なデータが出てくると思います。そういったことで視察する方が多くなりました。行政の町長さん、議長さんが来られる目的は、やはり行政の抱える悩み、予算を出してもいいが、出せないのでどうしていくか、という取り組みの仕方です。うちの協同体制について聞かれることが多いです。それから一般の方の場合、ここはヘドロが30センチから50センチ減った所ですが、EMの作り方とか、EMの効果を視察にくる。ですから、視察のポイントが来られる方によって二通りあるということです。 「こういった動きに市民の立場からの感想は」(画家・エッセイスト 宮迫千鶴) 宮迫 民と官のパートナーシップを条例化しようという動きは、すばらしい発想だと思いました。私も伊豆に住むようになって最初にぶつかったのが、ゴルフ場開発運動と、飲み水の貯水池の関係の問題でした。今から12、13年前の話ですが、私の住んでいる町の行政の方には、今のようなお話はまったく聞くことができなくて、行政というのはひとつの壁なのではないか、というふうに民の一人としては感じてしまったのです。ですから今回、このフォーラムが民・官・産業界、そして学術的立場、という言ってみれば社会全体がひとつになって、目的に向かうという姿勢が、「え? こんなことあるんだ!」と本当に感動したのです。 私は市民の立場から言いますと、市民の運動もずい分盛んになっていると思いますが、やはりこれからは行政の人たちが、今おっしゃったような方向にスイッチを切り替えていただいて、いかに柔軟に対処していただけるか、それによって民の力もまた倍加するのではないかと思っています。 「内海町の影響を受けてからの尾道の対応は」(尾道市山波漁業組合理事 浜原道由) 浜原 山波の州は、ちょうど松永湾から流れてくると、尾道水道があります。そこの潮が渦巻くというほどではないですが、潮がまわっているんです。このように赤潮が発生しますと、こういう形で山波の州の干潟が全滅になるのです。これではいけないといろいろ考えていました。今はEMを撒いたおかげでこの赤潮が発生しなくなった。 ではこれを山波町民を挙げてやろうではないか、ということでこのEM菌を取り寄せたわけです。その機械をどこへ置くかと、いろいろ問題がありましたが、海がきれいになるのなら、漁業組合に置いてそれから町民の皆さんに使ってもらおうということで、そこに置き、皆さんに配付しているのが現状です。 それだけではなく、海の周りはアサリが一切わいておりませんので、EMを撒いて、種アサリを撒いたら土へ入りだした。いかにEM菌が活用したか、素人なりに分かりました。63年に捕れた最高1万5千トンのアサリが、平成10年には3千トンしかできなかった。潮干狩りにくる人も千人足らずだったのです。それが年々増えてきて、今では5千人から7千人、来年には1万人を突破するのではないかと言われています。それくらい山波の州のアサリはわいて来た。それまでは皆泣いていたのです。明日の生活はどうするかと。若い者は漁師をやめておかへ上がる。本当に漁民は路頭に迷っていた。ところがそういう状況に変わっていった。lいかにEMが環境衛生に良いか、ということを私は本日報告したかったわけです。 「漁連婦人部としての取り組みとは」(愛媛県漁協婦人部連合会会長 富岡喜久子) 富岡 愛媛県下では、西条、今治、松山、八西、宇和島、南宇和と6つのブロックに分かれております。そして、55の漁協婦人部の組織で部員数が現在、4210名です。 各ブロックなどで,EMの研修もおこなっております。川之江漁協婦人部の松本さんは、ヒラメの養殖をされておりますが、地域の方たちの協力を得て、お米のとぎ汁EM発酵液を利用し成功して喜んでおられます。 今治ブロックの壬生川漁協婦人部の海苔養殖業の方たち、家族で協力しあい、EM利用で高品質の海苔を生産され、また、重点婦人部活動の取り組みによりまして、津倉漁協婦人部の矢野ヒロ子さんを中心に、吉海町のバラ公園および横の堀や川がきれいになり、また石垣のヘドロがなくなり、水が本当にきれいになりました。 見学して感動し、そして婦人部でEMによる活動の輪が広がっていきました。 私たち上灘漁協婦人部加工部では、平成7年3月より、ふたみシーサイド公園内に、じゃこ天のお店を始めました。みんなでこのEM活動に取り組んで、本当によかったと思っています。そしてこのタコもEMにつけます。そうしましたら、茹がきましたときに、つけてないタコとつけたタコとでは、色の鮮やかさがちょっと違って、つけたタコは色もきれいで柔らかくて、味がおいしいです。これはたこ焼きとしてずいぶん販売させてもらっております。 毎日鯛めしや、いろいろなご飯を炊きますので、とぎ汁発酵液は必ず毎日作ります。フライヤーの油がすごく付きまして、掃除に困っていたのですが、これを発酵液の中に一晩浸けますと、油が簡単に落ちてきれいになります。そしてミンチの機械には、毎日100倍に薄めた発酵液をシュシュと霧吹きで、吹いておきます。そうすると悪臭が全然なく、きれいに取れます。 そしていつも悩みの種でした浄化槽ですが、1ヶ月も掃除しないと周りに臭いがして、「早く掃除してな」という声がありましたが、これも毎日発酵液を流して掃除をすることによって、これ8年目のじゃこ天の店の床です。タイルもいつもきれいで、みんな一生懸命掃除をしてくれます。 私どもの海では、海が荒れると山が荒れる、山が荒れると海が荒れるという言葉がありますが、本当にお魚いっぱいです。じゃこ天の原料である雑魚もかなり捕れますし、また最近は近年にないほどのイワシの豊漁です。現在はチリメンが毎日捕れております。ほくほくでございます。(会場笑い) 私ども婦人部も、EM活動を5年間してきた成果ではなかろうかな、と自負しながら、まだ公表はいたしておりません。(会場笑い)でも海はごらんのようにとてもきれいでございます。 |
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●ビデオ(事務局注
: 以下、上映内容の抜粋)
取手市では市のモデル事業として、地元の非営利団体「NPO緑の会」に生ゴミの回収を委託している。 当初は20世帯ほどから始め、現在は200世帯を超える家庭がゴミの分別回収に協力している。 しかし、これを取手市全域3万1千世帯にまで広げるには回収システムなどを見直す必要がある。 さまざまな問題はあるが、環境を守ろうという市民や行政の強い意志があれば克服できると「NPO緑の会」代表の恒川さんは考え、ポイントは「腹を決めること」と話している。 |
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●ビデオ (事務局注
: 以下、上映内容の抜粋)
公共事業が減っていく中、北海道では過去1年間で300社もの建設業者が倒産した。北浜建設(株)では公共事業に依存する体質から脱却する取り組みとして農業を始めた。 建設機械を使って畑を整備し、建設作業員らが農作業に取り組んだ結果、職員のリストラを避ける事ができたばかりか、有機栽培にも成功した。出荷されたカボチャ等の作物はデパートにも置かれ、消費者の評判も高い。(同社はEMによる栽培管理を行っています) |
●ビデオ(事務局にて作成) (福井県宮崎村村長 木村橘次郎) 木村 自分が村長に就任しましたのは平成7年で、今から8年前です。財政のきわめて厳しい中で、どちらかと言いますと、財政破綻状態の中で、行政を担当したわけです。その時に悪臭関係から汚泥関係、住民からの苦情が大変多くて、それをどう解決するか、というのが大きな課題でした。その課題の中で、財政が厳しいおりでございます。昨日今日かとやりますと、やはり何億というお金がかかる。到底そのような財政状況ではないので、何かよい方法がないか、ということで、嫌気性菌であるEMを使いながら、これを改善しようとしたのがきっかけです。 質問者 EMを導入した中での、最初の効果はどのような感触がありましたか? 木村 これは夢というか、驚くべき成果が着実に上がってきて、汚泥が3分の1減り、悪臭の苦情もほとんどなくなってきました。EMがこれだけ効果があるということは、使ってみて初めて知ったわけです。 (環境衛生課 桑野順一) 桑野 EMの臭いは少ししても、汚泥の臭いは全然しませんので。 (環境衛生課 上坂重之) 上坂 投入して、1、2週間のうちに、処理場内の臭いが取れ、1ヶ月近くなりますと、汚泥からも臭いが取れた。処理場はもちろん付近の方々からも、臭いが取れたということで、非常に喜ばれております。EM活性液を入れますと、抗酸化作用があるので、機械が錆びず、長持ちするということで、オーバーホールを3年に一度、定期的に実施しなければいけないのですが、5年に延びたり、コスト軽減が図られております。 質問者 村民の方々によるEM研究会というのがあるということですが、官民一体という形に取れると思うのですが。 木村 畑作関係、蔬菜関係、軟弱野菜と申しますか、根菜類、いろんなものをEMぼかしによって栽培いたしました。当時は10数名の方が、自分で作った作物は非常においしいですよ、と皆さんに分けていた。大根で申しますと、きれいで、甘みと香りを十分に残したとてもおいしいものです。それを皆さんに食べていただいて、それが実証されて、今現在で100数十名の方々まで増えてきました。 (家庭菜園 山内千代子) 山内 ピーマンにしろナスにしろ、菜っ葉にしろ、味が甘みがあって、とてもおいしいんです。大根もおろしにしてもおいしいし、煮てもおいしい。 ぼかしをいれた畑も、だんだん土がさらさらになって、よくできます。 (専業農家 岡下和夫) 岡下 安全で安心して食べられるというのが、私は一番感心をもっている。EMを使うことによって農薬を消さなければいけないなど、そういったことがなくなった。もちろん土作りと兼ねて、十分活用していくんだということを始めに聞きましたんで、それはやはりその土地に合うようになって、7,8年になるかと思うんです。 (この村でEM推進運動をしている農家 井上幸子) 井上 私自身、若い時から環境問題、公害問題に、非常に興味をもっていましたので、自分がやるなら、環境保全型農業、有機農業でやりたいと思ったのです。もともと有機農業と言いますと、堆肥作りとか切り替えしやら、除草やら、と非常に大変ですから、これは難しいなと思っていた時に、ちょうど全国的に広がっていたんだと思いますが、生ゴミのリサイクルとして、このEMを使って発酵させていく、という運動があちこちでありました。それを使えば有機農業も簡単にできるのではないかな、と思いまして、始めたわけです。 当時皆さんすでに生ゴミを畑で使っていましたし、環境とか、健康とか、そういうことに非常に意識が高かった。そんな中にEMぼかしが入りましたので、本当にいいものを教えていただいた、という気持ちは住民の方にあったのです。本当にこちらが驚くくらいに、皆さんが使っていかれて、すごい勢いで広がったという状態です。 質問者 有機農業と暮らしやすさの接点というのは、どの辺にあるのですか? 井上 これだけ自然が豊かで、水はこの山水から宮崎へそのまま降りてきているので、水が非常にきれいだということがひとつ大きいです。そこでこの水を利用しながら、水稲なら除草の意味で水張りをしていますが、こういうものを利用しながら食べていく。また畑なら、生ゴミリサイクルにしてもぼかしだけで畑を作っても、非常にうまく、簡単にできる。そしてそれを食べていきますね。そうすると、本当に子供さんたち、家族の方たちが喜ばれるということを皆さん実感しています。また村長さんを挙げて、役場の環境衛生課の課長さんにしても産業課にしてもそうです。それと私どものこの田んぼは「有機の会」というJAの生産部会に入ってるいのですが、そこでお世話もいただいておりまして、住民・行政・JAと言う形で一体となれた、ということは非常に大きいし、それがまた村作りと言いますか、健康な農業地の村づくりといことでは、大分基盤ができているのではないかな、という気はします。 木村 わが村は800年から千年経つ、古い窯元がございます。観光客を誘致する場合において、皆さんによろこんで食べていただくものをどう作っていくか。EM栽培と観光客の誘致のために、これからEMに働いていただいて、1つの大きなリンクを作っていきたいな、と思っております。焼き物の観光で来た方が、本村でとれた品物を食べていただいて、喜んでいただく、ひとつの第一次産業から、EMを機軸にした観光産業、第三次産業までリンクした、これからの宮崎村を作っていきたいと思っています。 EMで栽培した方々から、作物を非常に安く提供していただいているので、子供たちの学校給食にも使わせていただいております。今までは余った品物は捨てるか何かしてたわけですが、それを学校給食に提供していただいて、子供の方も非常に喜んで、おいしいというんで、元気も出ました。いろんな面において、眼に見えない効果というものが着々と出ております。 (教諭 青木哲哉) 青木 地元の方が作った野菜ですから、安心して食べられると思います。素材の味を生かして、できるだけ加工せずに、野菜本来の甘みやおいしさを味わってもらう、ということで調理してくれているようで、子供たちも喜んでいます。 (教諭 松下典子) 松下 やはりいたるところで環境については言われてますので、窓口は小さいですが、そこで自然のこと、石油のこと、今のリサイクルのこと、川の水が汚れるとか、自分の身の回りにある環境について、ものすごく興味を持つようになりました。 質問者 いじめ問題など世の中ではありますが、お聞きすると大分そういう問題も環境教育の中で減ってきた、と村長はおっしゃっていますが、その辺の実感はされますか? 松下 人間は一番えらいのは自分だ、と思っているのですが、自然とかそういうものを学ぶ中で、人間以外にも、一緒になって地球上に存在していることを知るので、そういうものから、自分よりも弱いものに対する思いやりなども育ってきているように私は思います。 木村 EMの働きというものは、健康関係から、いろんな面において、育っていくな、と思っております。例を見ますと、今までの医療費関係が非常に安くなった。今までは県下でも最高の医療費がかかったのが、最低まで減った。ということはやはり皆さんが、おそらく宮崎村の半分以上の方々がEMを使っていると思います。栽培した作物を食べて、健康というものでつながっているのではないかと思っています。我われの命を守ってくれているのは、やはりEMの働きが大きい、というようなことを認識しています。 |
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EM-EXPO 2003 |