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 福島第一原発の冷却作業では、自衛隊やハイパーレスキュー、電発作業員など、多くの人々が最前線で奮闘している。こちらは、21日より現場で作業に当たった自衛隊の部隊の活躍ぶり。

 * * *
「人員削減のせいで人数が足りない。でも、『宣誓』してるからね」

 年長の31歳隊員がいった。「宣誓とは何か?」と記者が聞くと、自衛隊に入隊するときに読み上げるのだという。おもむろに彼がそらんじると、年若の二人も後に続いた。「事に臨んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に務め、もって国民の負託にこたえることを誓います」つかのまの合唱の後、「宣誓にウソはつけないから」と31歳隊員はいった。
 
 不安がないといえば、ウソになるだろう。原発周辺に展開するNBC(核・生物・化学)テロ対処能力を持った「中央特殊武器防護隊」を除けば、多くの部隊が放射能の専門外。「人員も装備も十分ではない」(防衛省関係者)のが実状である。それでも彼らの決意がぶれない裏には、もうひとつの事情があった。部隊の関係者が明かす。

「隊員のなかには、被災地出身の者がいるんです。だからいっそう士気が高い」
 
 隊員たちは個別に電話を受け、家族に確認の上、志願を表明した。年若の二人は、「うちらは独身者だから大丈夫。両親も『頑張って』と送り出してくれた」という。だが、その「頑張って」の一言を、家族はどんな気持ちで絞り出したことだろう。31歳隊員が続けた。

「妻は自衛官だからわかってくれている。4歳と0歳の子供がいるんだけど、上のコがテレビの消防の映像を見て、『これ、お父さん一人でやるの?』っていうんだ。『俺が終わらせてくる』っていってきたよ」

 自信満々の表情に、若い隊員たちも笑う。その後、彼はぼそりとつぶやいた。「でも、そんぐらい上げていかないとね」

※週刊ポスト2011年4月8日号

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