「アウトレイジ２」製作延期　北野監督の大人気映画続編

　来月にクランクインが予定されていた北野武監督（６４）の最新作「アウトレイジ２」が延期されることが２８日、分かった。同作プロデューサーでオフィス北野の森昌行社長（５８）は本紙の取材に対し、東日本大震災の影響で「撮影は物理的に無理だ」として、「監督、出演者、配給元にも理解を得て作業を中断した」と明かした。

　「アウトレイジ２」は、昨年６月に公開され興行収入７・５億円のスマッシュヒットとなった「アウトレイジ」の続編。北野監督のメガホン１６作目で初の連作となる。ストーリーの詳細・出演者は発表されていないが、広域暴力団同士の権力闘争が題材で、一部では西田敏行（６３）の出演が有力視されており、今秋公開の予定だった。

　森社長は「数多くの方々がいまなお行方不明で、被災地にライフラインも確保されていない今の段階で、エンターテインメントをなりわいにしている人間はより繊細になるべきだ」と強調。「『アウトレイジ２』のような作品を楽しんでもらえるような環境が整わなくては、監督も含め私たち作り手もモチベーションが上がらない」と心情を吐露した。

　撮影スケジュールは公開時期を含めて検討中で、製作の開始時期について、森社長は「すべてのコンセンサスを得た段階で、しかるべき時に発表したい」と語った。