沢村を４・２中日戦で起用　巨人・川口投手総合コーチが示唆

　巨人の川口和久投手総合コーチ（５１）は２８日、ルーキー沢村を包み隠すことなく、中日とのチャリティーマッチ（４月２日・ナゴヤドーム）に先発させると明かした。相手は同一リーグの宿敵だが、球種限定といった縛りも一切なし。手の内をそのままさらけ出して、堂々と勝負させるプランを披露した。

　沢村は２４日のヤクルト戦に先発。同一リーグとの対戦は経験済み。ただ、相手がリーグ盟主の座を争うライバル、中日となると意味合いが重くなる。できる限り新戦力である沢村の情報は渡したくないというのが本音だ。それだけに、川口コーチも「せっかくここまで隠してきたのにね」と口惜しそうだった。

　ただ、その半面、楽しみでもあるようだ。持ち球のいずれかは封印、内角球を少なめなど、本来ならば“隠ぺい工作”があってしかりだが、川口コーチは「そんなことは考えていない」。言葉の裏には、仮に竜の００７に解析されたとしても、今の沢村なら打たれないという読み、新人右腕への信頼がある。逆に度肝を抜いてやれというところだろう。

　これまでの投球は内海、東野に勝るとも劣らない。中日戦の登板翌日は２３歳の誕生日。好敵手を完膚なきまでに抑えて、自信を深め、気分よく記念日の美酒に酔いしれる。　（永山陽平）