東日本大震災で被災した東京電力福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)で17日、3、4号機の使用済み燃料プールの水が蒸発し、露出した燃料棒の損傷により大量の放射性物質の放出が懸念される状態が続いた。陸上自衛隊の大型ヘリコプター2機が同日午前、3号機に対する水の投下を開始。警視庁の高圧放水車も3号機に放水することを決めた。準備が整い次第行う。
東電によると、自衛隊ヘリが16日、上空からの目視で、4号機のプールは満水ではないものの燃料集合体が水面下にあることを確認。一方、3号機のプールは蒸気が立ち込め、水位の低下が推測されたため優先したという。
水を投下したCH47型ヘリ2機は17日午前9時前、陸自霞目駐屯地(仙台市)から離陸。1回に投下できる水の量は最大約7.5トンで、同9時50分ごろから4回にわたり投下し、同10時すぎに終了した。東電によると、敷地内の放射線量に大きな変化はなかった。
UH60型ヘリ1機も放射線量モニタリングのため同駐屯地を離陸、東電の社員も途中で乗せ現場上空で計測を行った。
地上からも、航空自衛隊の高性能消防車11両と燃料車2両が現場から約30キロ離れた場所に集結。同日午後にも放水を行う。
東電は冷却装置を復旧させるため、電源車や東北電力の送電線から電気を引き込む作業を行う方針。経済産業省原子力安全・保安院によると、17日午後にも同原発1、2号機への電力供給が回復する見込み。緊急炉心冷却装置(ECCS)の稼働が見込めるなど、原子炉への注水、冷却作業がやりやすくなるという。(2011/03/17-13:39)
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