2011年3月29日0時55分
【台北=村上太輝夫】台湾の主な旅行会社が共同でパック旅行商品を売り出すフェアが25〜28日、台北の世界貿易センターで開かれた。だが、最も人気が高い旅行先だった日本が各ブースからほとんど姿を消した。
会場で日本行き商品を売る数少ない大手旅行会社、スタートラベルのブースに来た老夫婦はこう尋ねた。「日本に行くかわりに韓国で桜を見物できませんか?」
担当の蒋沂芳さんによると、4月中旬以降の東北地方は花見と温泉を楽しめるため人気が高かったが、すべて取り消し。東京行きも取り消しか延期だ。
4月下旬に開通する黒部立山アルペンルートも本来人気があったが、5日間で2万8千台湾ドル(約7万6千円)のところを1万9900台湾ドル(約5万4千円)に下げても予約が埋まらない。「夏季に営業の力点を置きたい」と蒋さんは日本の回復を期待する。
業界団体「旅行商業同業公会全国連合会」の許高慶秘書長によると「日本行きの4、5月分は99%が取り消しだ」。東日本大震災後の団体旅行は九州、名古屋、大阪へ行った4団体で計100人足らず。例年なら毎月約10万人、花見の季節はさらに3割増しとなるはずだったという。