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3号機も建屋爆発の恐れ=炉心溶融の可能性、冷却に全力−福島第1原発

3号機も建屋爆発の恐れ=炉心溶融の可能性、冷却に全力−福島第1原発

 福島第1原発では1号機に続き、3号機も非常用炉心冷却装置が動かなくなり、東京電力は13日朝、経済産業省原子力安全・保安院に通報した。保安院は同日、3号機も1号機と同様に、原子炉建屋に水素がたまり、爆発する可能性が生じたことを明らかにした。原子炉格納容器に損傷の恐れはなく、半径20キロ以内の住民避難指示範囲を拡大する必要はないという。
 3号機について、保安院は1号機と同様に炉心溶融が起きていてもおかしくないとの見方を示した。
 東電は3号機の炉内圧力を下げるため、13日午前9時20分ごろ、微量の放射性物質を含む蒸気を格納容器から外に放出する弁を開放。消火用配管から真水に続いて海水を注入し、冷却に全力を挙げた。核分裂反応を抑えるホウ酸水も加えた。
 しかし、冷却水の水位は低く、燃料棒上部が露出。敷地内では同日午後1時52分、1時間当たり1557.5マイクロシーベルトと、放射線量が東日本大震災発生後の最大値となった。
 冷却水の水位計は1号機が約1.7メートル、3号機が2.2メートル、燃料棒が露出していることを示しているが、炉内や格納容器内の圧力は安定しているという。
 3号機では昨年9月から、ウランにプルトニウムを混合するMOX燃料を一部に導入したが、東電によると悪影響はない。燃料棒が露出して高温になると、被覆管素材のジルコニウムと水が反応して水素が発生。原子炉建屋に漏れると空気中の酸素と反応して爆発するという。
 保安院は国内初の炉心溶融が起きた可能性が高い1号機について、「海水とホウ酸水注入により当面の安全性が確保された」としている。東電は2号機も圧力を低下させるため、格納容器の弁を開き、今後海水を注入する準備を始めた。
 半径10キロ圏内に避難指示が出ている福島第2原発では1、2、4号機の冷却能力が低下。格納容器内の圧力が高まっており、14日朝から16日にかけ、格納容器の弁を開放する作業を行うことを決めた。
 海水やホウ酸水を注入すると、原子炉の復旧が困難になるが、安全対策が優先された。(2011/03/14-00:41)

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