午後6時59分55秒。
始まりは、きょうのニュースのエッセンスを象徴する3秒ほどのコメント。
言いよどむことは、伝わらないこと。最大の集中力と決心で声を出す。
タイトル音楽が流れ、画面上をグラフィックスが踊り、そしてカメラのついたクレーンがぐるりと弧を描いて、スタジオ内を映し出す。
正面のAカメの赤いランプが点灯する。
「こんばんは。ニュース7です」
さあ、きょうも正確に、わかりやすく伝えるぞ。
365日毎日欠かさず、日本と世界の動きを30分にまとめてお伝えしています。
制作チームの協調の上に、キャスターの集中力と理解力、説得力。
最善の努力を総合して、きょうもニュースをお伝えします。
最近、テレビを見ていてふと思うこと。
この事件の当事者が、自分だったら?家族だったら?
どんな経緯で、ここまで思いつめたのだろう。もしかしたら、こんな生い立ちや事情があって、こんな会話が交わされて……などと、果てしない想像(妄想?)の中、ぼんやりと考えてしまうことがあります。
同じように繰り返す毎日の中で、接する人、経験することは限られています。ともすれば、その狭い世界のシアワセだけで十分。そんな自分もいます。でも、そんな日常生活の中に突然飛び込んできて、はるか海の向こうのことや、様々な境遇や立場にいる人の存在に気付かせてくれる、それがニュースなのかなあと思っています。
ひとつひとつのニュースの奥にある、いろいろな人たちの思いを感じながら、お伝えしていきたいと思います。