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ドイツ:南部の州議会選挙 緑の党、得票率2倍 福島第1原発事故、選挙に余波

 ◇環境政党初の州首相確実

 【ベルリン小谷守彦】ドイツ南部バーデン・ビュルテンベルク州議会選挙が27日、投開票された。福島第1原発の事故を受け反原発世論が高まる中、環境政党・緑の党が得票率24・2%で第2党に躍進した。06年の前回選挙での同党の得票率は11・7%だった。緑の党は第3党の社会民主党との左派連立を表明、ドイツ史上初の環境政党出身の州首相が誕生することがほぼ確実となった。

 ドイツのメディアは「日本が独政界に激変をもたらした」(第2公共テレビ)などと、こぞって福島の事故を緑の党躍進の原因と論評した。メルケル首相が選挙前に打ち出した原発稼働の延長計画の3カ月凍結は、凍結が暫定的なものだったため、世論の支持を十分には得られなかった模様だ。地方分権の強いドイツでは州選挙が連邦政治に及ぼす影響が強く、今回の選挙結果はメルケル政権にとっても原発政策見直しの大きな圧力になると予想される。

 1953年から同州で政権を担当してきたメルケル首相率いるキリスト教民主同盟にとっては歴史的敗北となった。選管暫定最終結果によると得票率は39・0%で、前回(44・2%)から大幅に減らした。

 また、中道左派・社会民主党が州政権を担う南西部ラインラント・プファルツ州議会選挙も27日行われ、同様に緑の党が躍進。得票率は15・4%で、前回(4・6%)の約3倍となった。

 ドイツでは79年の米スリーマイル島原発事故以来、世論を二分する原発論争が展開されてきた。86年にはチェルノブイリ事故も身近に体験し、国民は原発政策への関心が高い。

毎日新聞 2011年3月28日 東京夕刊

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