2011年03月29日 (火)

【プルトニウムとは何か?山崎記者の徹底解説】

 

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きょう未明の記者会見で公表された、東電福島第一原発の敷地内の土壌から微量のプルトニウムが検出された問題。

プルトニウムって何?私たちの健康は大丈夫なの?山崎記者が詳しくわかりやすくお答えします。

 

 

アナウンサー)山崎記者に聞きます。福島第一原発の敷地内の土壌からプルトニウムが検出されましたが、これまでの放射性ヨウ素ですとか放射性セシウムと何がどう違うんですか?

山崎記者)

 まず、このプルトニウムは放射性ヨウ素や放射性セシウムと同じように、核燃料の中から出てきたものなんですね。
 核燃料は原子炉の中で燃焼すると
様々な放射性物質が発生するんです。その代表的なものが
放射性ヨウ素であったり放射性セシウムであったり、今回検出されたプルトニウムなんですね。
 プルトニウムというと多くの方が想像するのが核兵器だと思います。プルトニウムのリスクというのは、今言った核兵器の原料にもなり得るというリスクと、もう一つは人体、体内に取り込んでしまうと高い放射線を出すので、がんになりやすくなるという健康への影響、この2つがプルトニウムのリスクなんですね。今回はこの人体、健康面への影響と言うことで、このプルトニウムが検出されたと言うことは、より厳重にこれを監視、これ以上でないようにしなくてはいけない、そういった対策が求められますね。

 

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アナ)このプルトニウムがなぜ原力発電所の敷地内の土壌から検出されたのでしょう?

山崎)

 すでに空気中、いま現時点では漏れた水から敷地の外の海水にですね、放射性物質を含んだ水および大気が検出されています。つまり、1号機から3号機、いずれかもしくは全てでですね、原子炉の中の燃料が破損していることが言えます。そこから放射性ヨウ素、セシウムと同時にプルトニウムも外に出ていっていることが言えると思います。
 今最も危惧しないといけないことは、敷地内の2カ所から見つかったと言うことなんで、作業員の方々の安全管理、これが今一番問題になると思います。

 プルトニウムってのはですね、実は1950年代、60年代に核保有国が大気中で核実験を何度もやったわけなんですね、その際にもプルトニウムを大気圏中に放出したわけです。東京電力の発表で、人体に影響ないと思われると言及しているのは、実は核保有国の核実験のために、実は世界中にプルトニウムは飛散している、日本でも土壌とかそういったものにごくごく微量にプルトニウムはすでに存在していて、我々日本人も含め、人類はプルトニウムのごく微量な中に囲まれて生活しているんですね。これまでも。

 今回、敷地内の2カ所で見つかったプルトニウムの量は、すでに核兵器の核実験によって世界にばらまかれた、日常生活の中に存在している量と同じだというぐらいなので、それによって健康被害があるというものはこれまで言われていないので、人体には影響が無いレベルだと言うことを、東京電力では説明しているということではあるんです。

 

アナ)ただ注意は必要ということ?

山崎)

 そうです。プルトニウムというのは放射性ヨウ素や放射性セシウムと比べると体に取り込んでしまったときの影響っていうのは非常によくないんです。ひとつ、今後ちゃんとやらないといけないことは、まず作業される方のマスクの徹底と防護、100%しっかりやらないといけないということは言えますね。もう一つは、この土壌にプルトニウム検出されたということは、ほかのエリアでもどうなんだろうという疑問が必ずあがってくると思うので、発電所の中でのチェックっていうのは継続してしっかりやると。と同時に発電所の敷地の外に対しても土壌検査っていうのは今後やっていってもらわないといけないかなと。そうでないと住民がどこまでプルトニウムのような物質が広がっているのかと、ずっと心配になると思います。どこまでプルトニウムが広がっているかということの考え方ですが、もちろん詳しい土壌調査をやってもらうことが前提ですが、放射性ヨウ素や放射性セシウムと違うのは、プルトニウムっていうのは非常に重いんですね。
 放射性ヨウ素や放射性セシウムっていうのは、すごく、例えば福島県以外でも広がりを見せたのは、放射性ヨウ素や放射性セシウムは非常にガス化しやすい、気体になりやすいので、軽くて風に乗って遠くまでどんどん飛んでいくんですね。だから原発の事故ではこの放射性ヨウ素やセシウムがより広範に影響を与えるというわけなんですね。

 プルトニウムは、そういうガス化しない、物質として重い、固体なんです。だから飛散はしにくい。
現時点で20キロ、,30キロのところに避難されている方々に対してこのプルトニウムが多量に飛んでいくという問題はないと考えていいと思うんですね。
 とはいっても発電所の中、もしくは周辺にプルトニウムが当然、飛んでいく可能性は十分にあり得るので、そこのチェック、測定はよりきめ細かくおこなって、量がどれだけなのか、無視していい現時点のレベルなのか、もう少し高いレベルなのかは適宜、住民に情報公開していくということが大事です。

アナ)これが今おこなわれている作業にどう影響するのか?

山崎)

 防護、マスクをはじめ、作業員の方が体内に取り込まないようにするということですね、これまでもやっていると思いますが、さらに厳重にやることが、必要不可欠だと思うんですね。そのあたりをですね、東京電力を通じて原子力安全・保安院は体制にもれがないかあらためて確認して、徹底してやってもらいたいと思います。

(以上)

投稿者:かぶん | 投稿時間:03:19  | カテゴリ:取材エピソード
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