永遠の嘘をついてくれ
作詞・作曲 中島みゆき 中島みゆき |
中島みゆきは拓郎が好きだったって話がある。
たたかう君の歌をこの歌はまるで拓郎のオリジナルのように拓郎にフィットしていた。中島みゆき・作と知らないファンは、拓郎の歌だと勘違いしたようだ。それほど『ファイト!』は紛れもなく拓郎の歌になっていた。会場でこの姿を見ていた僕は、不覚にも涙を落としてしまった。
たたかわないやつらが笑うだろう
ファイト!
歩いて来た道は 絵には書けないが拓郎は95年、ニューアルバムのレコーディングの直前、中島みゆきを食事に誘っている。まだ拓郎がフジテレビの人気番組で意外な復活を果 たす前の話だ。二人がきちんと向かい合って話をすることは、初めてだった。
ありのままの夢を なつかしみいとおしむ
肉体の奴はいま 鋭さを失って
だからこそその肩に 時が見えかくれ
「どうして」と云う僕は 多分もういない
新しい唄が みつからないように
許せない者に 愛さえ感じたり
ウワサのかたまりを のどもとでかみくだく
あー 僕の考えていた事は
自分を自由にさせること
あー 手にするものは何も無い
あきらめられないものも無い
〜『現在の現在』(吉田拓郎 詞・曲)
ニューヨークは粉雪の中らしい歌は、自分の許を去った男に向かっての未練だった。
成田からの便は まだまにあうだろうか
片っぱしから友達に借りまくれば
けっして行けない場所でもないだろう
ニューヨークくらい
なのに 永遠の嘘を聞きたくて女は自分が捨てられたことに薄々と勘づいている。男はやさしさなのか、優柔不断なのかは知らぬ が、まだきっぱりと女に訣別を告げてはいない。
今日もまだこの街で酔っている
君よ永遠の嘘をついてくれ女は事実をはっきりとさせてくれない男に腹立ちも覚えるが、女自身も現実を見ようとしていないことを知っている。知ってはいても、現実を見ることが怖くて仕方ない。
いつまでもたねあかしをしないでくれ
永遠の嘘をついてくれ
なにもかも愛ゆえのことだったと言ってくれ
傷ついた獣たちは最後の力で牙をむくこうして出来た拓郎のアルバム『Long time no see』発売後のライヴに出掛けた。神奈川県民ホールの席は、埋まってはいなかった。
放っておいてくれと最後の力で嘘をつく
嘘をつけ永遠のさよならのかわりに
やりきれない事実のかわりに
永遠の嘘をついてくれアルバム『パラダイス・カフェ』で、中島みゆきはこの歌をセルフ・カバーした。
出会わなければよかった人などいないと笑ってくれ
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