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日本船、中国で貨物下ろせず 放射線量異常の指摘うけ

2011年3月28日23時59分

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 【北京=吉岡桂子】中国国家品質監督検査検疫総局から福建省アモイ港で放射線量の異常を指摘された商船三井の船が、貨物を下ろさずに神戸港へ向けて引き返していたことが28日、分かった。東日本大震災による福島第一原子力発電所の事故を受けて、中国は各地の空港や港で、機体、貨物や人に対して放射線量の検査を強めており、今後も同様の混乱が続きそうだ。

 この船は17日に東京港を出発し、21日にアモイ港に到着。22日に乗船して検査した地元当局から放射線量の異常を指摘された。同社によると、現地での洗浄や第三者機関による検査が認められなかったため、27日に日本へ引き返す決断をし、出港した。

 中国国営新華社通信は27日「船は自発的に引き返した」とし、同港や同市の空気に異常は生じなかった、と伝えた。16日に遼寧省大連空港で全日空の貨物機が同様の指摘を受けて日本に引き返した際も「自発的」と報じられた。 ただ、日本の関係者によると中国の基準や対応が不透明でもあり、機材の運用などから引き返さざるを得ない状況だという。物流の停滞で部品の到着が遅れ、中国に工場を構える日系などの自動車や電機の生産に対する影響が懸念されている。

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