今年の6月に公開され、Acrobat 9との連動を前提にした様々な機能をWeb上で利用できてしまうサービスがAcrobat.comです。オンラインストレージ、PDF出力、ワープロ、オンライン会議、デスクトップ共有などが、Adobe IDさえ持っていれば無償で利用できます。β版とは言え、画面表示はすっきりとしたデザインで、未完成といった感じはありません。
用意された機能をひとつずつ見てみることにします。
Buzzword
一言で言ってしまえば、無償のワープロです。文字入力、フォントや色の変更、表組み、など一般的なワープロソフトに求められる機能は一通りそろっています。
利用しているPCにプリンタが接続されていれば出力することもでき、作成した文章の保存も可能です。PDF出力も当然できます。
残念ながら日本語未対応なのが最大の欠点でしょう。ここさえクリアしてくれれば、状況によってかなり便利に使えそうなのですが。
CONNECT NOW
一言で言うのは難しいのですが、オンライン会議で利用することを前提にしたメッセンジャーの類、とでも言うべきでしょうか。
チャット機能やマイク、Webカメラを通じたやり取りはもちろん、ホストのデスクトップの共有(ドキュメントの共有)などもでき、より密に相互が繋がることを目的にしているようです。リアルタイムで緊密にやり取りする必要がある場合などに利用するべきなのでしょうが、なかなか活用する場面を思いつけません……。
マイファイル・共有機能
この機能自体は単独で昨年頃から公開されていましたが、Acrobat.comの公開に合わせて統合されたようです。容量は1GB程度で、mp3などの音楽データやwmvなどの映像データ以外は大抵のデータがアップロードできます。WordやEcelのドキュメントもアップロードでき、日本語でも問題なく閲覧できます。アップロードしたデータは共有機能と連動することにより、公開することもできます。
共有の設定は、制限なしでの完全公開の他に、一定のユーザーのみに公開する制限公開、一切公開せずに自分のファイルに保管する非公開の3種類。
閲覧画面はAcrobatやReaderを思わせるUIになっています。
PDF作成機能
これこそ当然と言えるのかもしれない機能です。マイファイルの各種データはもちろん、PC上からファイルを選択してPDF化し、マイファイルに保管することもできます。β版なためか、日本語を含むテキストデータなどはしばしば文字化けを起こしてしまうのが難点です。
各機能とも全く問題がない、というわけではありませんが、そこはβ版。完成版となれば、非常に高機能なツールとなるのではないかと思います。