毎時100万マイクロシーベルト(1000ミリシーベルト)は、その場所に30分いただけでリンパ球が減少し、4時間いれば半数の人が30日以内に死亡するという極めて高い線量。しかも線量が高すぎるため測定を途中でやめており、さらに高い可能性があるという。
また、放射線レベルが高いため水の排出は進んでおらず、原子炉や使用済み燃料プールの冷却機能回復に向けた作業に影響する恐れがある。
東電は午前、たまった水の放射性物質濃度は通常の原子炉の水の約1000万倍だったと発表。原子炉内で損傷した燃料から大量の放射性物質が外に出続けている懸念が高まったが、これに対し原子力安全委員会が「高すぎて疑義がある」などと再評価を求めた。
東電は同日夜、「別の放射性物質と間違えていた可能性がある」として発表を訂正。水を採取し直し分析した結果、通常の原子炉の水の約10万倍だったと発表したが、26日の“右往左往会見”に続くドタバタに、東電の分析能力の信頼性が大きく揺らいだ。
また、原発の放水口付近で26日に採取した海水からは、法令で定める濃度限度の約1850倍の放射性ヨウ素が検出された。25日の同約1250倍から濃度は上昇しており、放出が続いている可能性がある。
枝野幸男官房長官(46)は原発敷地内の土壌に毒性の極めて強いプルトニウムが拡散していないか、調査に着手したことを明らかにした。
東電は、1号機で地下に設置したポンプで水をくみ上げ復水器に回収する作業を進めた。2〜4号機は回収方法を検討している。
1〜3号機の原子炉への真水の注入は、現在の消防ポンプから外部電源による電動ポンプに切り替える作業を実施。2号機では切り替えを完了した。中央制御室の照明がついていない4号機の点灯に向けた作業も進めた。