エジプトも、世界のメディアは民主化革命が起きたと騒いでいますが、とんでもない話です。あれは民主化などではありません。ハッキリ言うと出遅れクーデターです。
なぜかと言うと、ムバラクが出ていった後、混乱を抑えるために軍が全権を掌握しましたが、軍の最高評議会は憲法を停止し、議会を解散した。これはクーデターです。合法性は何もない。
いまは暫定政権で、エジプトはムバラク政権下で結んだ条約は全部守るとしています。これはイスラエルとの友好関係は守るということで、イスラエルもアメリカもひと安心しています。
しかし、今年の秋ごろに選挙をやればイスラム原理主義がどっと出てきます。うまくやらなかったらイスラム革命のような物騒な展開になりかねません。エジプトにはそういう危険性があります。
バーレーンも危険です。ここにはアメリカ海軍第5艦隊の基地があります。つまり中東における横須賀や佐世保なんです。そのホスト国がイスラム原理主義にひっくり返ったら、当然アメリカは出ていけとなる。
アメリカにとってさらにひっくり返っては困るのがサウジアラビアでしょう。民主化という理想主義も大事ですが、そういう構図を理解した上で、我々はもう少しリアリスティックに見る必要があると思います。
中国政府はネットを徹底管理。ジャスミン革命は起きない
この民主化ドミノが中国に波及するかというと、当面はあり得ません。例えば外国から中国のネット上に何か書き込んでも1分で消されます。また、エジプト、リビア、カダフィなどの単語を検索しても出てきません。
中国政府はケータイやツイッター、フェイスブックなどインターネットを24時間モニターしています。30万人でモニターしていますが、それでも足りないので警察や軍のOB、そのほかに共産主義に染まった若者や失業者などを雇っている。
この人たちが、ツイッターに逆情報を打ち込んでいる。いまの騒ぎはアメリカの陰謀だとかバンバン打ち込んでいます。
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