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原発炉心溶融に県内関係者絶句 福島第1「最悪のシナリオ」

(2011年3月12日午後3時09分)

拡大 東京電力の福島第1原子力発電所(左から)4号機、3号機、2号機、1号機=2008年10月、福島県大熊町 東京電力の福島第1原子力発電所(左から)4号機、3号機、2号機、1号機=2008年10月、福島県大熊町


 東日本大震災の影響により史上初の原子力緊急事態宣言が発令されていた東京電力福島第1原発は12日午後、炉心の燃料溶融という最悪の事態に発展し、福井県内の関係者に衝撃が走った。原子力防災訓練用のシナリオとして「現実には起こりえない」とされてきた事態が実際に起き、情報収集に当たる県職員は「起きてはいけないことが起きてしまった」と言葉を失った。

 県内では、1999年の東海村臨界事故を機に制定された原子力災害対策特別措置法を先取りする形で2000年から毎年、原子力防災訓練を行ってきた。故障やトラブルが重なって炉心を冷却する機能が失われ、核燃料が損傷。外部への放射性物質の放出や、緊急事態宣言に至るというシナリオ。住民の避難訓練も行われてきた。まさに今回の事態と同じだ。

 県原子力安全対策課は11日午後から、24時間体制で被災地の情報を収集。今回は、計5基が一度に緊急事態宣言の対象となるなど、訓練の想定を上回る点さえある。原安課の岩永幹夫課長は、炉心溶融の一報を聞いて絶句した。

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