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もんじゅ、上ぶた一部と一体回収 落下装置、40%試験「11年度可能」 

(2010年11月17日午後8時37分)

拡大 炉内中継装置の外観調査で、外側の案内管に約8ミリのギャップ(すき間)が確認された部分(原子力機構提供) 炉内中継装置の外観調査で、外側の案内管に約8ミリのギャップ(すき間)が確認された部分(原子力機構提供)


拡大 炉内中継装置変形イメージ図 炉内中継装置変形イメージ図


 日本原子力研究開発機構は17日、高速増殖炉「もんじゅ」(敦賀市)の原子炉容器内に落下した炉内中継装置の外観を調査した結果、装置の接合部が変形していることを確認したと発表した。今後、数カ月かけ新たな回収器具をつくり、原子炉容器上ぶたの穴の外側にある「スリーブ」と一体で引き抜く方針。大がかりな作業が必要なため、次段階の40%出力試験は大幅遅れの可能性が指摘されているが、原子力機構の辻倉米蔵敦賀本部長は記者会見で「2011年度内の開始は可能」との見通しを示した。

 炉内中継装置は直径46センチ、高さ12メートルの円筒状。燃料を通す案内管が2重になっており、外側は2本の筒を8本のピンでつなぎ合わせている。下から約5メートルの部分に接合部がある。

 原子力機構によると、同装置を通す上ぶたの穴とは別の計測器挿入用の穴から、先端に鏡が付いた器具を入れて接合部の外側を観察。本来すき間のない接合部に、8ミリのすき間があるのを確認した。9日の内面調査の結果などと総合して分析すると、落下の衝撃で上の筒の接合部が約5ミリ外側に張り出し、上ぶたの穴に引っ掛かると推測されるという。

 原子力機構は3・3トンの同装置と3・6トンのスリーブを一体で回収する方針で、新たなつり具や収容するケースなどを数カ月かけて製作する。素材などを検討した上で「年内には発注したい」としている。上ぶたの構造物の撤去など大がかりな作業となるため、経済産業省原子力安全・保安院による審査が必要となる可能性もある。

 辻倉本部長は、同装置を引き抜いた後、原子炉内に損傷などがないか調査する必要はないとの認識を示した上で、「(手続きを含めて考えても)40%出力試験の11年度中の開始は可能」と強調した。

 調査結果について県の石塚博英安全環境部長は「今後は具体的な回収方法や工程、40%出力確認試験に向けたスケジュールを原子力機構だけでなく国としても早期に明らかにしてもらいたい」と述べた。

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