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もんじゅ、国の管理不備指摘 県安管協、炉内装置落下で
(2010年10月16日午前8時10分)
もんじゅの炉内中継装置落下について国の管理体制を問う意見が出た協議会=15日、福井県敦賀市の福井原子力センター
県原子力環境安全管理協議会は15日、敦賀市の福井原子力センターで開かれた。日本原子力研究開発機構の高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)で炉内中継装置が原子炉容器内に落下したトラブルについて、委員から国の安全管理体制の不備を指摘する意見が相次いだ。
同装置は8月、撤去中につり上げていたグリッパー(つかみ具)から外れて落下した。原子力機構は2度にわたり取り出し作業を行ったが回収できず、先の見通しは立っていない。落下の衝撃で装置の一部が変形している可能性がある。
原子力機構は、落下の原因はグリッパー内部のねじの緩みと推定されると説明。グリッパーの点検は2003年以来行われておらず、委員からは「ナトリウム事故以来(運転再開まで)14年5カ月あった。(点検を)何もしていないとは考えられない」「点検していなかったでは済まない。経済産業省原子力安全・保安院は原子力機構に任せすぎでお粗末だ」などと厳しい意見が出た。
これに対し、保安院の森下泰・地域原子力安全統括管理官は「グリッパーは国の設計認可が必要な設備ではない。ただ、お粗末と言われれば言葉はない」と話した。
委員の「炉内の傷の有無はどう確認するのか」との質問に、もんじゅの向和夫所長は「物理的に装置は真っすぐ落ちており、炉内や燃料にぶつからない」と強調した。
地元の敦賀市は「安全安心を最優先に工程にとらわれず、原因究明と対策を検討してほしい」と注文を付けた。