放射性物質を取り違えか 東電の情報公開、連日混乱
福島第1原発2号機のタービン建屋地下1階にたまった水から検出された放射性物質について東京電力は27日昼、「通常の原子炉の水の約1千万倍の濃度」と発表したが、夜になって「別の物質と取り違えた可能性がある」と訂正。3号機のたまり水に関する26日の発表訂正に続き、情報公開が混乱した。
東電は2号機の水について、27日昼には半減期が約53分と短いヨウ素134が、たまり水1立方センチ当たり29億ベクレルという超高濃度で検出されたと発表。これが正しければ、原子炉の中で燃料棒の損傷と外への漏出が続いている可能性が出てくる。
しかし、夜に開かれた原子力安全委員会は「通常あり得ない物質の出方だ」などとして、東電に再分析を要求。経済産業省原子力安全・保安院も夜の会見で「データの信頼性に問題がある」とした。
東電が同じサンプルを再測定すると、半減期の短いヨウ素134のはずなのに、最初の測定以降に想定されるほど濃度の低下はなかった。
東電は夜の会見で、半減期が約77日とずっと長いコバルト56をヨウ素134と取り違えた可能性があるとの見方を示し、あらためて水を採取して分析すると発表した。
東電は26日にも、3号機の水たまりで作業員3人が被ばくした事故をめぐる発表を訂正している。当初の発表では「1号機でも、表面で毎時200ミリシーベルトという高い放射線量を記録した水が、3号機の事故前の18日に見つかっていながら、現場に周知しなかった」としていたが、そうした線量の記録はなかったという。(2011年3月27日 共同通信)
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