気象・地震

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希望新聞:東日本大震災 Q&A 津波に遭い、海水を飲んでしまいました。

 Q津波に遭い、海水を飲んでしまいました。

 A「津波肺」「化学性肺炎」に注意

 災害時の感染症に詳しい神戸大医学部付属病院感染症内科の大路剛医師に聞きました。

 津波は通常の海水と違い、土壌に含まれる病原微生物や下水の大腸菌などが混じっています。病原微生物を含む津波の泥水を肺に吸引すると「津波肺」と呼ばれる肺炎になる恐れがあります。

 津波肺はスマトラ沖大地震(04年12月)による大津波の際、被害者に通常見られない病原微生物による肺炎が確認されたことから知られるようになりました。今回は船や燃料タンクから漏れ出した重油などの化学物質が肺を刺激して「化学性肺炎」を引き起こすことも考えられます。

 津波肺の症状は通常の肺炎と同じく、熱やせきが出ます。数カ月~1年後に症状が表れるケースもあります。病原微生物が人から人に感染する可能性は低いと思われます。一般的な肺炎の薬による治療に加え、できれば病原微生物についても調べておくことが望まれます。医師の診察を受ける際は、必ず津波の泥水を飲んだことを伝えてください。

 被災地や避難所では通常の肺炎やインフルエンザの流行が心配されます。予防にはマスクの着用と手洗いが重要ですが、十分な水がなければアルコール消毒液などで対応してください。【高島博之】

毎日新聞 2011年3月27日 東京朝刊

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