東北関東大震災に関する報道について
(日向放送総局長)
▽放送対応
3月11日午後2時46分の地震発生後、緊急地震速報を全8波(総合、教育、BS1、BS2、BShi、ラジオ第1、ラジオ第2、FM)で放送。2時48分から全8波で地震報道を開始し、総合テレビ・BS1・ラジオ第1では「地震関連ニュース」を18日まで24時間体制で放送し、教育テレビ・BS2・FMでは「安否情報・生活情報」を中心に伝えた。
また「NHKスぺシャル」などの震災特集番組を3回放送。19日以降は、総合テレビでは通常番組も放送しているが、ニュース枠を拡大するなど引き続き震災関連のニュースを分厚く伝えている。地震発生から22日までの12日間に総合テレビでは震災関連ニュース・番組を約254時間放送した。これは阪神・淡路大震災の時の1か月分に匹敵。
▽安否情報
「安否情報」は地震発生の3月11日から18日まで約52時間、「避難者名簿」は22日まで約27時間、それぞれ教育テレビとFMなどで放送。「安否放送」のデータは、グーグル(Google)社の消息情報サイトと連携しインターネットでの検索を可能にした。加えて、各地の避難所などに誰が避難しているかを検索できるインターネットサービスを「NHKオンライン」で行っている。
▽インターネット
ラジオ第1をインターネットに流すとともに、震災後テレビが視聴できない地域があることを受けて「ユーストリーム」や「ニコニコ生放送」などで視聴可能とし、3つの事業者に、震災関連のニュースを、今回初めて放送と同時に提供しており、総合テレビのライブストリーミングの利用者は3社合計で延べ3200万人余りと推定される。
▽字幕放送と手話放送
聴覚障害者や高齢者の方への配慮として、震災関連のニュースには、できるかぎり字幕をつけて放送するとともに、「手話ニュース」の放送枠を22日まで通常の2回から4回に増やして放送した。
▽外国人向け対応
外国人向けのテレビ国際放送「NHKワールドTV」は、地震発生直後から、ほぼすべての時間にわたって地震関連のニュースや番組を放送している。また、国内在住の外国人への情報提供のため緊急措置として、契約を待たず国内で希望するケーブルテレビ局に番組を提供、さらに、総合テレビでは英語放送を拡大して、朝と昼、夜のニュースで副音声による英語放送を実施した。それ以外の時間帯は「NHKワールドTV」の英語の音声を流したほか、ラジオ第2などでもポルトガル語や中国語など英語以外の言語で情報を伝えた。
▽現在の放送
震災関連のニュースや番組は、引き続き重点的に放送していく。総合テレビでは、選抜高校野球の放送をしていても、震災関連の情報が入り次第、特設ニュースなどで伝えていくほか、教育テレビでも、「福祉ネットワーク」や「手話ニュース」で震災関連情報を放送する。
▽新年度番組のスタート
震災関連で、総合テレビの新年度のスタートの時期を当初の計画よりも1週間遅らせて、4月4日(月)からとする予定。そのほかは当初の計画通り、教育テレビとラジオ3波は3月28日(月)から、BS1とBSプレミアムは4月1日(金)から新年度番組がスタートする。
Q:どのような方針で今回の震災報道をおこなっているのか
A:(今井放送副総局長)
災害報道の基本は、正確な情報をいち早く伝えることであり、これから当面は、被災した方々の生活再建を支援することも心掛けていきたい。原発事故では、今ある危機をどのように克服していくのか、計画停電や放射線の影響も出てきているので、生活に密着した正確な情報を伝えることに力点を置いていきたい。
Q:震災報道におけるインターネットの役割について
A:(日向総局長)
安否情報や避難者名簿など、検索した方が便利な情報は、さらにインターネットを活用するよう検討したい。
|