東京電力福島第1原子力発電所の電源を復旧する工事が大詰めを迎えた。東北電力からの電線敷設が完了、1、2号機に電力を供給する準備ができた。ただ機器損傷や漏電の点検が必要で、原子炉の冷却機能を動かすには「最短で1~2日はかかる」(東京電力)という。使用済み核燃料プールにも最新鋭の消防車などを相次いで投入し、放水した。
19日午後に東北電力の1.5キロメートルのケーブルの敷設が終わり、1、2号機で電力を供給する態勢が整った。まず作業は建屋の損傷が少ない2号機から始まる。
すぐに電気を流すのではなく、まずポンプや弁などが地震や津波で損傷していないかを調べる。電気系統のチェックも必要だ。近畿大学原子力研究所の伊藤哲夫所長は「もし海水をかぶっているまま電気を通したら電気系統がショート(短絡)して火災などを起こしかねない」と指摘する。
■作業効率は改善
機器がすぐ動かなくても「原子炉建屋内の明かりが確保できることは大きい」と原子炉の構造に詳しい岡本孝司・東京大学教授は説明する。建屋内が明るくなれば機器の確認などの作業効率が上がるからだ。計器類も使用可能になる。
機器が動いたら、まず原子炉圧力容器内の原子炉に水を満たす。現在、東京消防庁の放水とは別に、消防車4台で1~3号機の圧力容器に水を送っている。ただポンプの流量は2号機でも最大毎分540リットル。流量が足りないため、圧力容器の中では燃料棒が水から露出したままで、電源の復旧によって動く強力なポンプで水を送る必要がある。
東京電力福島、東北電力、岡本孝司、ECCS、原子力発電所、原子炉、電源回復、原発
日経平均(円) | 9,536.13 | +101.12 | 25日 大引 |
---|---|---|---|
NYダウ(ドル) | 12,220.59 | +50.03 | 25日 16:30 |
英FTSE100 | 5,900.76 | +19.89 | 25日 16:35 |
ドル/円 | 81.33 - .40 | +0.35円安 | 26日 5:48 |
ユーロ/円 | 114.55 - .62 | -0.31円高 | 26日 5:48 |
長期金利(%) | 1.220 | +0.015 | 25日 15:27 |
NY原油(ドル) | 105.40 | -0.20 | 25日 終値 |
経済や企業の最新ニュースのほか、大リーグやサッカーなどのスポーツニュースも満載
詳細ページへ
日経ニュースメール(無料)など、電子版ではさまざまなメールサービスを用意しています。
(詳細はこちら)