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電源復旧で緊急炉心冷却装置起動を…全力で作業

 原子炉や、燃料を貯蔵するプールが過熱している東京電力福島第一原子力発電所で今、電源の復旧を目指した工事が24時間態勢で進められている。

 この電源で、非常時に原子炉を冷やす中心となる「緊急炉心冷却装置(ECCS)」を起動し、さらに他の装置も冷却用に転用して危機の打開を目指す。

 原子力発電所は、核燃料の出す膨大な熱で水を加熱して発電に利用し、高温になった水や水蒸気を冷却して余分な熱を安全に捨てるシステムだ。原子炉を停止させても、燃料は熱を出し続ける。使用済み核燃料も、一時貯蔵プールで発熱する。つまり、「冷却」は原発の生命線だ。それが今回の地震と津波で失われた。

 電源の復旧は、その生命線を復活させるための第一歩だ。「冷却システムは、本来の電源が失われても、非常用電源は使えることを前提としてきた。その前提が崩れて厳しい状況に陥った。逆に電源が回復できれば、できることがたくさんある」と東電のある技術系社員は話す。

 同原発ではこれまで、炉の冷却には、消防ポンプ車などを使った強制注水で、貯蔵プールの冷却にはヘリや消防車両の放水で対処してきた。

2011年3月19日07時58分  読売新聞)

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