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被曝作業員の放射線量、推定2~6シーベルト―命に別条なし

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 東京電力福島第1原子力発電所の3号機で足を中心に被曝した作業員2人の放射線量は2~6シーベルトとみられることが分かった。25日に両作業員を検査した千葉市の放射線医学総合研究所が発表した。

被曝した作業員ら Agence France-Presse/Getty Images

被曝した作業員らは25日に千葉県の専門施設に移動した

 国内メディアによると、作業員らが緊急作業時に皮膚に受けることが許容される放射線の上限は労働安全衛生法で1シーベルトとされており、今回はこれを大幅に超えている。国際放射線防護委員会によると、全身に被曝した場合、3~5シーベルト程度で半数の人が死亡するという。

 ただし、放射線医学総合研究所によると、今回はくるぶしから下だけの被曝であるため生命に影響はないという。今はほとんど症状が出ていないが数日後にやけどの症状が出ると予想されるという。この2人とともに作業していたもう1人の作業員は、靴に水が入らなかったため健康状態に問題ない。

 被曝の原因となった3号機のタービン建屋の水たまりについて、経済産業省の原子力安全・保安院は25日午後、原子炉の水が流れ出していた可能性が高いとの見方を明らかにしている。1号機でも高い濃度の放射性物質が見つかっており内部での作業ができなくなっている。3号機の水には1時間当たり400ミリシーベルトの放射線が含まれていた。ガンマ線が1立方センチメートル当たり約390万ベクレルと通常時に比べ1万倍だった。1号機でも同380万ベクレルだった。

 一方、両施設で原子炉に海水ではなく真水を注入する作業は25日進展した。東京電力は12日から海水を注入していたが、長期間にわたって海水を使い続けると原子炉に悪影響が大きいため早期に真水への転換を目指していた。

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日本版コラム〔3月18日更新〕