学内ニュース
(2007/5)
目次
「学内ニュース」
琉球大学憲章を制定 公表セレモニーを実施
大学憲章を公表する嘉数啓理事
公表セレモニーでは、嘉数啓 理事(琉球大学憲章起草委員会委員長)より「大学憲章というのはある意味で大学の憲法であり、構成員が行動を起こすときの拠って立つものだ。また、OB、一般市民の皆さんにも読んでいただき、広く普及することを望んでいる」との挨拶があり、経緯説明等がなされた。続いて高良鉄美 法科大学院法務研究科長(琉球大学憲章起草委員会WG委員長)より憲章の朗読が行われた。
出席した教職員、OB、名誉教授らは、盛大な拍手をおくり、配布された憲章にじっくりと目を通していた。
エコアクション21認証取得セレモニーを開催
認証登録証を手に挨拶する森田学長
セレモニーでは、嘉数啓理事 (琉球大学エコロジカル・キャンパス推進委員会委員長)より、「環境問題というものは非常に大きな問題であるだけでなく、身近な問題でもある。今回の認証対象は大学本部と附属図書館であるが、3年がかりで全体の認証取得に取り組む」との挨拶があり、続いて、嘉数委員長より森田孟進学長へ認証登録証が贈呈された。森田学長からは、「沖縄県は観光立県であり、本学には観光科学科を設置したが、観光と環境問題は密接に関係している。国立大としては初めての認証取得であり、受験生等に強くアピールしていきたい」との挨拶があった。
森田孟進学長退任記念祝賀会
代表挨拶する岩政輝男理事
開会にあたり、主催者代表挨拶として岩政輝男 理事から、「森田学長は8年の長い間、琉大を運営され、非常にたくさんの業績を残された。それに感謝すると同時に、今後もご指導を頂くようお願いしたい」との挨拶があり、その後、スライドショー「在任8年間の琉球大学のあゆみ」が上映された。
スライドショーの上映後、森田孟進学長の挨拶では、当時のことを振り返りつつ、「在任8年間のあゆみを観て頂いたが、在任中の改革等は歴代の学長方が残された遺産を受け継いだものであり、また教員の方々、そして特には地域社会、同窓会の皆様方の支援で実現できた。琉大にはまた今後の課題として、来年度の観光産業科学部(仮称)の設置等様々な構想があり、それが実現されるならば、極めて個性的な大学になることは間違いない。大学を取り巻く状況は厳しいが、県、地域産業界等との連携協力が必要であり、この場が今後一層の連携を形成する集まりとなるよう願っている」との話があり、会場からは盛大な拍手が沸き起こった。
鏡開きでステージに上がった来賓の方々と
森田孟進学長
歓談後には、森田学長夫妻に秘書係より花束と記念品が贈呈され、学長夫人からお礼の言葉があった。最後に嘉数啓 理事より「森田学長が敷かれたレールの上を岩政新体制が走ることになる。新天地に向かわれる森田学長を盛大にお送りしましょう」との謝辞が述べられると、会場いっぱいの拍手とかけ声の中で学長夫妻が退場し、閉会となった。
ラート世界大会で田村元延さんが優勝
ラート世界大会 跳躍の部で優勝した
田村元延さん
ラートは、近年ドイツで生まれたスポーツであり、バーで平行に固定した直径約2メートルの二つのリングの中での体重移動で回転運動等を行うもので、競技では、直転、斜転、跳躍、総合の4種目を10点満点で競われる。
世界選手権は2年に一度開催され、今回の2007ラート世界選手権ザルツブルグ大会には約90名の選手が出場し、日本からは12名が出場した。
個人跳躍の部で優勝した田村さんは「初めての世界大会だったが、会場の熱気や観客の歓声は日本の大会とは違い、とても盛り上がっていてとにかく楽しかった。優勝という結果を残すことができたのもたくさんの方々の支えがあったから。感謝の気持ちを忘れずにこれからも一生懸命、ラートを練習していきたい」と喜んだ。
キャリア教育クラスで稲嶺恵一前知事が講義
講義を行なう稲嶺恵一前知事
稲嶺氏は、沖縄の発展の歩みや知事時代の話、また世界各国を旅行して学んだ事を通してそれぞれの特性を理解する事の重要性などを語った。最後に稲嶺氏は、これから仕事を探すにあたって「いろんな事に興味をもって自分の幅をひろげてほしい、最後にたよれるのは自分しかいないので人とは違う好きなものをもって、それを伸ばしていってほしい」と学生にエールを贈った。
熱帯生物圏研究センター瀬底実験所で小学生が
水中カメラロボット操縦体験
操縦体験の様子
水中カメラロボット(ROV)によるサンゴ礁観察及び児童生徒による操縦体験は、(独)海洋開発機構 国際海洋環境情報センター(GODAC)の協力の下実施され、はじめに松永富也 国際海洋環境情報センター長より「GODACのROVを利用して瀬底の海を見ていただくが、身近な海の様子や、ロボットの仕組みを学んでください」との挨拶があった。子ども達は、ROV本体及びROVで撮影された記録映像などで、水中で移動する仕組みなどの説明を受けたあと、海岸に移動して実際に一人ひとり操縦桿を握って、ROVを動かした。子ども達は真剣な表情でモニターを睨みながら操縦を行い、「とてもうまくできたね」との運用担当者の言葉に満足した笑顔を見せていた。
瀬底実験所の施設見学では、技術職員による案内で、大型水槽や実験室などを見て回り、様々な設備や機材の多さに驚いている様子だった。
那覇ハーリーに5年連続出場
優勝した琉大チームと平良初男副学長
那覇ハーリー(爬龍船競争)は、「中学校・PTA・一般の部」、「職域ハーリー」、「本ハーリー」に分かれて行われ、1コース(黒)、2コース(黄)3コース(緑)の3艘の爬龍船で競争しタイムを競われる。
琉球大学チームは教職員・学生・留学生の36名(漕手32名、鐘打1名、旗振3名)でチームを結成し、「一般の部」最終レース第26組に黒(1コース)の爬龍船に乗船として出場した。
今年は森田孟進学長の最終年の出場に当たるため、優勝してはなむけになればとの想いで、練習から、「かけ声と櫂」を揃えるなど気合いを入れて取り組み、本番では、スタートからチーム一丸となり、ゴールするまで全員が力強い櫂さばきを発揮し、「3分51秒」のタイムで優勝を果たした。
競漕の後、港の公園内に設けた実施本部で懇親・交流会が行われ、平良初男副学長から優勝した選手、応援に駆けつけた教職員に労う言葉があり、また、来年の出場に向けて熱い闘志を語り合い、健闘を誓った。
このように、今年も連続出場を果たし、本学が地域・国際交流を積極的に深め地域に根ざした大学として広くアピールすることができた。
富田真理子 医学研究科助教が守田科学研究奨励賞を受賞
受賞した富田真理子さん(右)
と森直樹教授(左)
守田科学研究奨励賞は、女子高等教育の推進等を目的とした(社)大学婦人協会による奨励賞であり、自然科学を専門とする女性科学者の研究を奨励し、科学の発展に貢献する人材の育成を目的として、優れた研究成果を挙げた40歳未満の女性科学者を対象に年2件以内の授賞を行っている。今年度は富田助教の他、高エネルギー加速器研究機構素粒子原子核研究所の近藤温子 助教が授賞した。
富田助教の研究テーマは「ウイルス感染による発がん機構の解明と新規治療法の開発」であり、ウコンの黄色色素成分であるクルクミンが成人T細胞白血病(ATL)に対し抗腫瘍作用があることを突き止めたことなどが評価された。
今回の受賞に対し、富田助教は「このような名誉ある賞をいただき、大変光栄に思う。この受賞を励みに、今後、尚一層研究に励みたい。これまで、指導してくださった森直樹教授に心より感謝します」とコメントした。
なお、県内での同賞の受賞は、本学の中島裕美子 遺伝子実験センター准教授(平成14年)に続いて2例目。
大学院理工学研究科 中本敦さんが
South-East Asian Bat Conferenceでポスター賞受賞
受賞した中本敦さん
中本さんの受賞研究は、「The role of the Ryukyu flying-fox, Pteropus dasymallus, as a seed dispersal agent on Okinawa-jima Island, the Ryukyu archipelago, Japan(琉球列島沖縄島におけるクビワオオコウモリの種子分散者としての役割に関する研究)」である。大型の種子分散者に欠ける琉球列島の亜熱帯林の維持の上で、クビワオオコウモリがどのような役割を果たしているかということについて、植物、動物の両面から調査研究を行なったものである。
受賞にあたって、中本さんは「とてもうれしい。著名な研究者とも話ができ、多くの刺激を受けた。今後研究を進めていく上で良い励みになった」と話した。
また、指導教員である伊澤雅子理学部教授は、「本研究は琉球列島の生物多様性の維持機構に関わる研究であり、それをオオコウモリと餌植物の両方についての科学的な詳細なデータに基づいて議論した点が高く評価された。生態学的に現在もっとも注目されている話題の1つであるとともに、亜熱帯林の保全にも貢献する内容であり、今後さらに広がりの可能性が高い研究である」とコメントし、今後の発展にも期待をみせた。