名古屋グランパスのFWジョシュア・ケネディ(28)が25日、愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターでのチーム練習に合流した。東日本大震災による練習休止で、一時帰国していたオーストラリアから24日夜、再来日。代替試合の日程が決まったACL、J1再開へ向けて、リスタートした。
FK練習が始まると、ランニングなど軽めの別メニューで調整していたケネディも、その輪の中に入った。14日の練習以来、久しぶりにボールの感触を確かめていた。
母国のオーストラリアでも、東日本大震災については大きく報道されていたという。「直前のニュージーランド(NZ)の地震がすごく悲しい出来事だったから、みんなショックを受けていた。日本のことを心配し、悲しんでいた」。先月、NZを襲ったのに続く震災は人ごとではなかった。
24日夜、5月に第3子を出産予定の夫人とまな娘2人の家族全員で再来日した。「もし、妻を母国に残してきたら、子供が生まれるのに僕は立ち会えない。みんなで戻ってきたよ。赤ん坊は日本代表のチームにでも入れるよ」と、家族と一緒に始める生活に、安堵(あんど)の表情を見せた。
練習後、体調面や今後のスケジュールについて、ストイコビッチ監督と話し込んだ。15日の開催が延期となっていたACLのアルアイン戦の代替開催日が、4月12日に決まった。「Jリーグが再開する(24日の浦和戦の)前に(FCソウルとのホーム、アウェー戦を含めた)ACL3試合をできることは良かった」と、再開に向けた動きを歓迎した。
26日には大阪学院大との練習試合が組まれている。「出るかどうかはあした(26日)、監督が決めることだけど、僕はプレーしたいよ」。ボールを使ってはいなかったが、帰国中もランニングなどのトレーニングは続けており、コンディション面は問題ない。家族との来日で勇気を得たケネディが、公式戦再開へ向けて再び準備を開始した。 (伊東朋子)
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