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福島第1原発事故から約40キロの距離にある福島県相馬市の避難所を24日、タレントのはるな愛が慰問した。はるなが経営する飲食店に同市出身の従業員がおり、スタッフらと避難所となっている「スポーツアリーナそうま」など3カ所の避難所を訪れ、水や食べ物などの支援物資を届け、炊き出しをした。
南相馬市など第1原発から30キロ圏内の住民は25日、政府から「自主待避」を促された。原発の影響で支援物資が届きにくいなど、暗い話題が多いなか、突然の来訪に被災者に笑顔が広がった。涙を流すお年寄りもいた。
25日、本紙の取材に、はるなは「原発のことは目に見えなくて、正直こわいです。でも避けて通れない。私でも何かお力になれるなら、行きたい、と思いました」と心境を明かした。24日は午前9時前に車で都内を出発し、5時間かけて相馬市に着いたという。
相馬市出身のスタッフの父親は漁師で、津波の際、家族や近所の人を安全な場所に誘導した後、「忘れ物をした」と自宅に戻り、そのまま行方不明となった。現地の惨状は想像を超えていた。「スーパーには何もないし、道路には船がいくつも乗り上げていて…。家は流されて、がれきだらけでした」。
メディアで取り上げられない被災地や避難所はたくさんある。「放射能が怖くて物資を届けられないというニュースも見ました。でも、一瞬届けるくらいだったら、大丈夫だと思うんです。ご主人を亡くした方も、家が流れた方もみんな、自分のことじゃなく、ほかのだれかのことを気遣ってました。今、少しでもパワーのある人が、今何かできることを。私もまた届けにいきたいです」と涙で話した。
(デイリースポーツ提供)
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