きょうのコラム「時鐘」 2011年3月26日

 行政機関の被災地支援が急務になっている。北陸からも既に多様な人的支援が行われているが、各地の自治体から震災経験者が送り出されているという

阪神大震災当時、初動態勢の遅れで被害を大きくしたと非難された村山首相は「初めてのことだから」との国会答弁で非難を増幅させた。後に「だれが首相でも同じ程度の混乱はおきた」と言われたが、災害対応には経験が重視されるということだろう

菅首相が「挙国一致内閣」を目指して野党に協力を求めた。一蹴されたことになっているが、提案は与野党双方の中で今も生きているとも言われる。野党に頼らずとも、その前に現閣僚が力を出し切る態勢が重要との意見もある

現内閣には阪神大震災当時の村山内閣で文相だった与謝野氏がいるし、連立を組む国民新党の亀井代表は運輸相だった。原発対応の経験こそないが、震災対応が初めてではない政治家は与野党に大勢いるだろう

危機管理とは結果で判断される。経過ではなく一人でも多くの被災者が救われた結果を後世は評価するに違いない。あらゆる分野で体験と知恵を生かしてほしい。