2011年3月19日20時23分
【首相発言の真意】
――笹森内閣特別顧問に対し、菅首相が「東日本がつぶれるかもしれない」と言ったとされる。事実関係は。この発言は何を意味するのか。
そうしたことを言ったわけではないというように私は理解している。まさに現時点でも、今言ったような風評などで福島のみなさんは大変苦労されている方も一部いる。原発のこの事態がさらに悪化するということになれば、今大変苦労して、そして大変ご不便をかけるなかで燃料や食料や医薬品を、津波の被災地に届ける状況は、何もなくても大変困難な状況になっているし、原発の事態への対応のなかで、いわば両面作戦をとらざるを得ないということのなかで、両方に万全を期すべく最大限の努力をしている。
さらに悪化することになれば、それに対する対応でさらにエネルギーを注いでいかねばならないということは一種当然のことだ。従って東日本の大変広範囲のみなさん、さらに大変なご不便をおかけすることになる。このことは間違いないということであって、そうした事態を避けるためにも、なんとか事態の悪化をこれ以上防ぐことに全力をあげて、少しでも安定的に改善の方向に向かうという状況をつくっていくことが、当該原発周辺にとどまらず、今回の地震・津波被害を受けている東日本の広範な地域にとって、必要なこと、重要なことであると認識している。そうした認識の発言だったと、直接ではないがうけたまわっている。
――風評ではない。笹森顧問がカメラの前で総理が言ったこととして紹介したことだ。中身を説明するか訂正するかしないと、政府が風評被害をまき散らしている。
総理は、今のような思い、趣旨で言ったということだと、私は聞いている。その受け止めが、違った受け止めがあるとすれば、今私が言ったような意味で、今東日本は確かに、現状でも東日本全体が大変だ。これ以上悪化させたらそれこそ大変になる。そうした思い、趣旨で発言されたと受け止めてもらって結構だ。
――そうであるなら、笹森氏が訂正すべきだ。国民が非常に緊張した言葉だった。
私自身、笹森氏の発言の前後の全体状況、あるいは笹森氏がどういう趣旨で言ったのかは、直接把握していないが、総理がそういうことについて、そういう形で伝えたんだと。若干そのことで、必要以上のご心配をかけた側面があるかもしれないが、政府あるいは総理としては、私が今言ったような趣旨で、このことは一貫して緊張感をもって、なおかつ全力をあげて原発の事象について総力をあげてやっているとの認識だ。総理もこうした趣旨を繰り返しいろんな場で言っていて、笹森氏にもそうした趣旨のことを言ったという風に聞いている。
――蓮舫行政刷新相や枝野官房長官も「関東で買い占めはよくない」と言うが、東日本がつぶれるという発言とは矛盾。国民は納得しない。どう説明するのか。
この間、政府としてのこの原発に対する見解・認識については、総理が国民へのメッセージを発信される。そして私が官房長官の立場で国民のみなさんに、知りうる範囲をできるだけ正確にご説明してきている。必ずしも十分ではないかもしれないが、それぞれの直接のデータを把握しているところから、適切に、そして必要なものは全部隠すことなく公表するようにということで、政府として国民のみなさんにお伝えすべきことはしっかりとお伝えしてきているつもりだ。そのなかでは、もちろん今後の状況はしっかりと緊張感を持って注視をしなければいけないという状況ではあるが、例えば東京のみなさんがなにか買いだめをしないといけないような状況ではないと、繰り返し丁寧にご説明している。
なので、政府としての公式の発表、私を軸に関係省庁がしっかりと今後も行っていく。それに基づいて対応して頂きたいと思う。そうしたなかでご心配あろうかと思うが、必要以上のストックを買うことの結果として、東北の被災地で困っているみなさんの支援に大きな影響を及ぼすことになるので、ぜひ多くの国民のみなさんのご理解をお願いしたい。
――枝野氏は買い置きしているのか。
私自身は、自宅に帰っておりません。